2023/05/23

小さな自然「ハーバリウム」はポケットに入る植物の世界

ハーバリウム(Herbarium)は、液体を満たした透明な瓶に植物を封じたインテリアです。
もともとは、植物学の研究用に植物を長期保存する方法、植物の標本として生まれました。

近年目にすることが多くなったハーバリウム。
ハーバリウムは中にいれる草花や瓶の種類などが豊富で、手作りする上での自由度が高く、一度作ってしまえば日々のお手入れはほとんどいりません。
そして何より美しい、そして可愛いビジュアルが人気の理由です。

小瓶に入った小さな自然「ハーバリウム」は、見ている人に癒やしを与え、作る人には植物との触れ合いを通じて、心の豊かさをもたらしてくれるでしょう。

ハーバリウムについて、より具体的な人気の秘密を紐解いてゆきましょう。

ハーバリウムは
ギフトにとっても向いている

ハーバリウムはギフトに向いています。
見た目が美しく癒やしを与えてくれるというだけではなく、中身のお花やカラー、一緒に入れる貝殻やリボンなどの装飾物も自由に選べるので「贈る相手」にあわせてカスタマイズして作ることができるからです。

ギフトを贈る相手の誕生花を使ってもいいでしょうし、好きなカラーのカラーサンドを入れてもいいでしょう。
飾る場所によって瓶のサイズも自由ですから、オフィスのデスクの上に飾るのであれば100mlの小さめの瓶、お家の玄関に飾るのであれば300mlの瓶を2本セットで、という風に大きさも本数も自由自在です。

メンテナンスフリーもギフトにしやすいポイント

ハーバリウムは手入れが要りません。
もし瓶にホコリがついていたら拭いてあげてください。

通常の生花や鉢植えのプレゼントでは、贈った相手が水換えや落ちた葉っぱの掃除などのお手入れをしないといけませんが、ハーバリウムはメンテナンスが不要なので、もらった人にお手間をかける心配がありません。

また、貰う側もうまく育てられるか不安という心配もありません。
様々な点で、ハーバリウムは気遣いの要らない贈り物として優秀なのです。

関連記事:ハーバリウムはなぜ人気?プレゼントにおすすめな理由と注意点を紹介

贈る相手に合わせて自由に作ることが出来る点も魅力のハーバリウムは、どんな材料を使って作るのでしょうか?

ハーバリウム作りに必要な
材料と道具は多くない

ハーバリウムを作るのに必要な材料は3つ。

1. 花材(ドライフラワーやプリザーブドフラワー、生花は使えません)
2. ボトル(ガラス瓶など)
3. オイル(シリコンオイルなど)

加えて、装飾の貝殻や木の実、リボンやカラーサンドなども必要であれば追加しましょう。
オイルは透明度があり粘性の高いものであればシリコンオイル以外でも使用できますが、ベビーオイルなど低温で濁ってしまうオイルは冬場には使えません。
また、水分を含んでいる生花は使わないようにしましょう。

続いて、ハーバリウムを作るのに必要な道具も3つです。

1. ハサミ
2. ピンセット
3. 消毒液

瓶にオイルと花を入れるという作業なので、使う道具もシンプルですね。

関連記事:ハーバリウムに必要な材料とは?大切な選び方のポイント

使う材料の中でも、印象に大きな影響のある「瓶」「ボトル」など容器はガラス以外にも選択肢があります。

ハーバリウムのボトルの
種類と選び方

ハーバリウムに限らず、容器はおしゃれなアイテムの重要なポイントです。
見た目の印象を大きく左右し、スリムな瓶では一輪挿しのような繊細なセンスを要しますし、大きめなボトルでは内容物のお花やカラーの組み合わせに気を使う必要があります。
瓶の素材では主にガラスとプラスティックがあります。
落下して割れてしまわないように、高いところに飾る場合はプラスティックの容器がおすすめです。

瓶の形状は多岐にわたりますが、四角柱や六角柱、円筒形など途中で瓶の太さが変わらない形状が初心者向きです。
加えて口が広い瓶だとお花が入れやすいので作業もしやすいです。

瓶の形状は実に様々で、本物の試験管をそのままハーバリウムに使ったり、変わった形の洋酒の瓶を利用すると、デザインも雰囲気も変わり、また違った世界観を楽しむことができます。工夫と応用が出来る点がハーバリウムの魅力ですね。

関連記事:ハーバリウムの瓶を選ぶポイントは3つ!初心者でも簡単に作れる瓶の選び方

季節やモチーフ、場所や国などのテーマを決めてハーバリウムを作ることで、アート性の高いハーバリウムを目指すこともできますよ。

関連記事:家で海を感じよう!海をイメージしたハーバリウムの作り方

ハーバリウムに使うオイルは粘性の高いオイルを使いますが、固めるハーバリウムというタイプもあります。

ハーバリウムを固めて液漏れなし
高い透明度でクリアな美しさ

固めるハーバリウムとは、専用のオイルを使って完全に瓶の中を固めて個体にしてしまうハーバリウムです。
固めるハーバリウムでは、液体に比べて透明度が高くクリアに見えるのが特徴です。
使うオイルも特殊なものになりますが、代表的には下記の3種類のオイルを使います。

クリアリウム

非常に透明度が高いオイル。
固まるまでに1日程度の時間がかかりますが、匂いも少なく粘度は低めなので使いやすいオイルです。

エターナルアイス

透明度・硬度ともに高めで、染料と混ぜやすいので色を付けるのに向いています。

クリスタルレジン

手芸店や100円ショップなどでも手に入るオイル。
硬化時間は2日ほどと長いですが、粘度が低いので使いやすいです。

関連記事:固めるハーバリウムって何?気になる特徴と作り方

特殊なオイルを使って時間もかかる方法もありますが、初心者にはちょっとハードルが高いですよね?
初心者の方でも安心してハーバリウム作りに取り組める、「初心者キット」というものも販売されているので、最初は手順を学ぶ上でもキットの利用も検討してみましょう。

手順を覚えるのに最適!
初心者向けハーバリウムキット

ハーバリウム作りは自由度が高く奥が深い反面、シンプルなので趣味としても始めやすいです。
しかし、どんな趣味でもモノづくりでも、最初からスムーズにうまく出来るということはありません。
もちろんハーバリウムでも同じ事がいえます。

「用意したピンセットが短すぎた…」
「瓶3本分買ってきたはずなのに途中でオイルが足りなくなった…」
「中に入れるプリザーブドフラワーが思っていたよりも折れやすい…」

失敗を繰り返して上達してゆくものですので、材料や道具のトラブルはつきものです。
しかし、最初はまず手順を学ぶことが大切ですので、やはり初心者にはハーバリウムキットをおすすめします。

ハーバリウムキットは、制作に必要なアイテムが一式揃っており、効率的にハーバリウム作りを学ぶ事ができます。
内容は商品により多少異なるものの、花、瓶、専用オイルといった基本的なものがすべて含まれています。

関連記事:ハーバリウム初心者はキットを使って作ろう!おすすめハーバリウムを紹介

自分で作った初めてのハーバリウムは自分で飾るのも良いですが、慣れてきたらギフト用にも作ってあげたいですね。
お花をプレゼントする記念日はいくつもありますが、カーネーションを贈ることで有名な「母の日」のプレゼントに普段の生花の花束ではなく、ハーバリウムでの母の日ギフトも変化があって面白いですね。

母の日のギフトに
思いを込めたハーバリウム

母の日のギフトといえば「カーネーション」ですよね?
最近では母の日ギフトも多様化しているとはいえ、やはりカーネーションは王道の人気です。

カーネーションの贈り方のスタイルにも生花の花束やアレンジメント、鉢植えなどがありますが、生花はお世話の手間があります。
特に鉢物は日々のお世話が続くものですから、お母さんの状況によっては負担になってしまう場合もあります。

ハーバリウムはメンテナンスのいらないお花ですから、状況にかかわらず母の日ギフトに最適ですね!

関連記事:母の日にはハーバリウムがおすすめ!人気の理由を紹介

お手間のかからないハーバリウムも、永遠に楽しめるわけではなくおよそ1年程度が寿命といわれています。
寿命を迎えたハーバリウムは、どのように扱えば良いのでしょうか?

ハーバリウムを楽しんだ後は
きちんと自然に還してあげる

ハーバリウムはオイルを使用しているので、一般の食用油の処分方法とほとんど同じ方法で捨てることができます。
特殊なオイルを使用している場合は、製造元のサイトなどで処理方法を確認しましょう。

瓶や装飾物は再利用出来るものもあるので、オイルをしっかり洗い落として次回の出番までよく乾燥させてから保管しておきましょう。

関連記事:ハーバリウムの正しい捨て方について解説!油を袋に詰めて流すだけ

ハーバリウムは簡単に始めることができる自由度の高いフラワーのアートです。
自由度が高い分、贈る相手に合わせたハーバリウムを作れるのでギフトにも向いています。

お花を楽しみたいけれど、お世話をすることが難しいという方や、花粉症が酷くて生花を楽しめない方へのプレゼントにも最適です。

「作る」「眺める」「あげる」「もらう」のすべてが楽しいハーバリウムに、挑戦してみましょう!

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