秋も深まり、冬から春にかけて咲く花が多く出回る季節。
その中でもクリスマスローズは花の種類が豊富で、冬の庭を美しく彩る可憐な花として人気があります。ガーデニングの一種として楽しまれています。
初心者にとっては、クリスマスローズの栽培は難しいように見えるかもしれませんが、実は比較的丈夫な植物で育てやすいと言われています。
この記事では、クリスマスローズを育てるポイントや注意点を順を追って解説しています。
園芸初心者でも、コツを覚えることで上手に花を咲かせることができます。
ぜひ、参考にしてクリスマスローズの栽培を楽しむのもいいですね。
クリスマスローズはどんな花?
育て方の前の基礎知識
クリスマスローズの特徴や花ことば、花の種類などについて紹介します。
クリスマスローズの概要
クリスマスローズは冬の寒さに強く暑さに弱い、キンポウゲ科の多年草です。
ヨーロッパから西アジア、中国南西部などに分布しています。
12月〜3月にかけて花が咲きますが、種類によって開花時期が違います。
白、赤、ピンク、黄色、オレンジ、緑、黒などさまざまな色があります。
花に見える部分はガクの部分で、本来の花は退化しています。
シングル(一重咲き)、ダブル(八重咲き)、セミダブル(アネモネ咲き・半八重)などさまざまな咲き方があるのが特徴です。
10〜100cmまで種類によってかなり差があります。
無茎種は茎が低く、有茎種は茎が上に立ち上がります。
中間種と呼ばれる品種もあります。
名前の由来・和名・花言葉
名前の由来は「クリスマスの頃に花が咲くバラのような花」ということから、クリスマスローズと呼ばれるようになりました。
和名は「寒芍薬(かんしゃくやく)」と言います。
花言葉は「いたわり」「なぐさめ」などです。
関連記事:クリスマスローズの花言葉とは?意外な由来や逸話を解説
花の種類
ヘレボルス・ニゲルが本来(原種)のクリスマスローズのことで、クリスマス頃に花が咲きます。
花の色は白く、一重咲きの花です。
日本ではヘレボルス属の花を全てクリスマスローズと呼び、ヘレボルス・オリエンタリスなど、たくさんの種類があります。
こちらは春が開花時期です。
育てやすいクリスマスローズの苗は?
おすすめの苗の選び方
クリスマスローズを上手に生育するには、苗選びが肝心です。
苗の種類
苗には、3種類の苗があります。
すぐに咲く順番にご紹介します。
花がついている状態の苗で12月〜3月まで花が咲き続けます。
シーズンが来ると花が咲く見込みの苗です。
1年以上育てると花が咲く苗です。
種から育てる場合には、およそ2年〜3年ほどの期間がかかります。
よい苗の選び方
お店で苗を選ぶ際には花や葉・芽をよく見るのも大切です。
芽と葉の数が多くて小さい芽があるものより、芽と葉が少なくても芽が太いものを選びましょう。
病気や虫もチェックします。病気になった花や葉はシミや黒い部分など変色しています。
また、葉の裏にアブラムシなどの虫がついているものも避けましょう。
クリスマスローズの育て方の
6つのポイント
花を上手に咲かせるために、以下のポイントをおさえて育てましょう。
植え付け・植え替えの時期
10月〜3月が植え付け期です。
特に成長が盛んな10月〜11月頃が植え付けに最適です。
クリスマスローズは根が盛んに成長するので、深さや広さにゆとりをもつのがポイントです。
秋の苗は成長期なので、古い土と根を取り除いて、よくほぐしてから植えます。
それ以外の苗は根を傷めないように、軽くほぐすくらいにしましょう。
地植えの場合は、40cm以上間隔を開けて植えます
鉢植えの場合は、苗のポットや鉢より二回り大き目で、深めの鉢に植え替えましょう。
土
クリスマスローズは多湿に弱く、水はけのよい土を好みます。
鉢植えの場合は、軽石や赤玉土、腐葉土をまぜて水はけのよい土で植えます。
肥料
植えるときに元肥として固形の緩効性肥料を与えます。
10月〜4月ごろの間に3回ほど固形の肥料を置き肥しましょう。
成長が盛んなときは、液肥も追加します。
夏は肥料を与えないようにしましょう。
花が咲き終わった4月ごろに固形の追肥をすると株が大きくなります。
日当たり
クリスマスローズは夏の強い日差しが苦手です。
地植えの場合は、日当たりの良い場所で、夏は半日陰になる場所に植えましょう。
鉢植えの場合は、10月〜5月くらいまでは日当たりの良い場所、6月〜9月ごろは半日陰になる場所に移します。
水やり
クリスマスローズは高温多湿が苦手です。
地植えの場合は特に水やりは必要ないですが、暑い時期で雨が降ってない時のみ、水やりします。
鉢植えの場合は10月〜5月までは、土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげます。
冬には日差しのある午前中に水やりを行う方法を取りましょう。
その他の手入れ
クリスマスローズは種ができると、株も疲れます。
花が咲き終わったら花がらをつみましょう。葉も枯れたり、汚れていたりしたら取り除きます。
クリスマスローズの育て方の注意点
病気と虫には要注意
クリスマスローズを上手に育てるには、病気や虫の対策と管理も大切です。
病気
べと病になると、葉の葉脈が黄色くなったり、暗い色の斑点ができたりします。
湿度が多くなるとベトついた感じになります。
予防するためには、水はけをよくし、過湿に注意することです。
鉢植えの場合は、雨が入らない場所に移動させましょう。
症状が出たら葉を切り取るか、ひどい場合は薬剤を葉の裏に散布します。
ブラックデスにかかると、葉や花に黒い斑点がついて縮れます。
アブラムシなどの虫が媒介となると言われているので、虫を寄せ付けないようにしましょう。
症状が出てしまったら、株ごと廃棄します。
虫
アブラムシは植物の新芽を好んで寄ってきます。
ウイルス病を媒介することもありますので、こまめに観察しましょう。
春から秋に多く発生します。
テープで取ったり、多数発生している場合は、薬剤を使用しましょう。
ハダニはとても小さく、葉の裏に寄生し、葉色が悪くなっていきます。
湿気に弱いので、葉の裏側から水をかけて洗い流すのも効果があるでしょう。
クリスマスローズは
花を育てたあとも楽しめる
クリスマスローズは育てているときだけでなく、花を切った後も楽しめます。
切り花
切り花として楽しみましょう。
花は種をつける前に切ったほうが株元が育ってよいのです。
長持ちさせるためには、花を切ったときにお湯(40度)で湯揚げをします。
お湯に入れる茎の部分の葉を全部取り、花の下までお湯に10分ぐらいつけておき、その後冷たいお水に入れます。
花の部分のみを水入れのお皿で飾ったり、押し花にしても楽しめます。
関連記事:一輪挿しや小さい花瓶おすすめ5選!選び方のポイントも合わせて解説
ドライフラワー
クリスマスローズは乾燥しやすいので、ドライフラワーにしても楽しめます。
花の色のバリエーションが豊富なので、くすんだ色調を利用してアンティークな感じにするのもおしゃれです。
関連記事:失敗しないドライフラワーの作り方!インテリアにもギフトにも◎
≫ ≫「ドライフラワー」商品一覧| 花百花 ‐hanahyakka‐
初心者でもコツをつかめば大丈夫
クリスマスローズを育てよう!
クリスマスローズは耐寒性がありますが、夏の暑さには弱い植物です。
夏は日陰に置いたり、水やりに気をつけたりと対策すれば初心者でも上手に育てられます。
育てたあとも切り花やドライフラワーなどにすれば、長く楽しめます。
ガーデニングの腕をみがくためにも、育ててみませんか。