バラ園や庭などにたくさんの花を咲かせているつるバラは、とても美しく、人気のあるバラの種類です。
つるバラの花言葉には「無邪気」「爽やか」があり、すくすく伸びる枝にたくさんの花をつけることが由来とされています。またバラの持つイメージ「美」「香」にちなんで「いつも美しい」という花言葉もついています。
本記事では、つるバラの特徴について詳しく解説していきましょう。
つるバラとは「枝がつる状に伸びる」バラのこと
バラの種類には「木立ち性バラ(ブッシュ・ローズ)」「半つる性バラ(シュラブ・ローズ)」「つるバラ(クライミング・ローズ)」「ミニバラ」の4種類があります。その中でつるバラはクライミング・ローズとも言われるように枝をつる状に伸ばし広範囲に色鮮やかなバラを咲かせるのが特徴的です。
つるバラは他のつる性の植物と違い、勝手に他のものに絡みついて成長するわけではありません。このため、誘引させなければいけない植物でもあります。そんなつるバラはさらに2種類に分類されます。
つるバラには主に「一季咲き性」と「返り咲き性」の2種類がある
つるバラは「一季咲き性」と「返り咲き性」がありそれぞれ特徴があります。どのような違いがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
つるバラの種類�@一季咲き性
一季咲き性は春に開花しそれ以外の季節には枝を伸ばすという性質があります。もともと、バラの原種は一季咲きでした。年に一度しか開花しないため楽しめる期間は短くなりますが、栄養をたくさん蓄え一気に開花する姿は圧巻です。
また、一季咲き性のつるバラは枝がしなやかに伸びるため、誘引しやすく自由度も高くなっています。返り咲かない分栄養も蓄えているので、病気にもなりにくく、寒さに強い点も特徴です。
つるバラの種類�A返り咲き性
返り咲き性は、春以外にも開花することを意味します。品種改良などによって、一季咲き性のバラより後に誕生しました。春に咲いた花がらを切り落とすことにより秋などに花を咲かせますが、春ほど大きく咲かないのも特徴です。
また、返り咲き性のつるバラは返り咲きが多くなるほど枝が固くなるため、誘引もしにくくなります。さらに改良をしたもので四季咲きと呼ばれるものがあります。次から次と花を咲かせますが手入れやお世話が難しいです。
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つるバラのおすすめ品種5選
つるバラにはたくさんの種類があります。ここでは、育てやすさや入手のしやすさなどの観点から、おすすめの品種を5種類紹介します。
つるバラのおすすめ品種�@ピエール・ドゥ・ロンサール
ピエール・ドゥ・ロンサールはフランスのバラで、世界でも人気のあるバラの品種です。豪華な大輪カップ咲きで、花の色は愛らしい配色となっています。外側はうっすらとしたピンク、内側に行くにつれて色が濃くなる柔らかいグラデーションが特徴です。トゲが少なく、春になると花を咲かせ、花持ちがよく長く楽しめます。
基本的には一季咲き性の品種ですが、日当たりや栄養がよく蓄えられていれば返り咲きも期待できるつるバラです。
つるバラのおすすめ品種�Aアンジェラ
ピエール・ドゥ・ロンサールと並んで人気の高いアンジェラは、初心者の人にも扱いやすい、おすすめのつるバラです。
鮮やかなピンクの花が特徴的で、一つの枝にたくさんのバラを咲かせます。丈夫で花付きもよく、すぐに枯れる心配がないところから、育てやすいバラとされています。すくすくと伸びすぎてしまうことがあるため、剪定は重要です。
つるバラのおすすめ品種�Bパレード
鮮やかなローズピンクが特徴的なパレードは、花弁数が多い豪華なつるバラです。花持ちがよく、他のバラが終わってしまった後も長く楽しめるのが特徴です。
伸長性があり病気にも強いため、育てやすいバラといわれています。株が充実してくると返り咲きを楽しむことも可能です。
つるバラのおすすめ品種�Cサマースノー
サマースノーは花付きがよく、どのような場面にも使いやすい万能なつるバラです。一輪は小さいですが、大きな房になって純白の花を一斉に咲かせます。
花付き、花持ち共によく、気品があります。また、トゲがなく枝も柔らかいため、誘引しやすく思い通りに咲かせやすいでしょう。
つるバラのおすすめ品種�Dコーネリア
コーネリアは小ぶりな房咲きをする、可愛らしいつるバラです。生育力はとても強く、半日陰でもすくすくと育ちます。トゲも少なく枝もしなやか。誘引しやすいのも特徴の一つでしょう。ムスクのような香りも人気で、気品の高さを感じられるつるバラです。
つるバラを上手に育てる誘引方法
春になるときれいに花を咲かせるつるバラ。
バラの苗には三種類あり、「新苗」「大苗」「鉢苗」などに分かれます。いずれにしても苗を上手に育てるためには、ある程度育ってきた段階で、鉢からフェンスやアーチなどへつるを誘引させる必要があります。つるバラはアサガオなどのつる性の植物と違い、他のものに勝手に絡みついていくわけではありません。このため、枝を這わせる誘引作業が必要になってきます。
枝は寒くなってしまうと硬くなり、折れやすくなってしまうことから、誘引は12月下旬から1月中旬までに終わらせておくのが理想的です。
つるバラの品種によっても、誘引の仕方が変わってくるので注意しましょう。
うまく誘引するポイントは、まず太く長い枝から誘引することです。残った枝は余っているスペースへ配置し、混み合っている部分の枝はカットしましょう。この時、枝が完全に折れてしまったものは成長が止まるため、その下から切ってください。
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つるバラの花をきれいに咲かせる「花がら摘み」の方法
花がら摘みは、花が咲いてしおれてきたものを切り取ることです。なぜ必要かというと、枯れてしまった花を放置しておくと腐ってしまい、病気や害虫の発生源になるからです。
きれいに咲かせるための花がら摘みのタイミングは、花がピークを迎える前です。もったいないですがそのタイミングが過ぎてしまうと花茎が硬くなってしまい次の目が遅くなってしまうため、早めに摘むのがポイントです。
切る場所は、花が咲いた場所から数えて大きい5枚葉の付け根です。誘引によっては高い位置になってしまい、花がら摘みを行いにくい場所もあるかもしれません。できる範囲で花がら摘みをするようにしましょう。
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つるバラを育てて素敵なローズガーデンで憧れの庭を作ろう
バラ園やガーデニングでも目をひくつるバラ。バラと聞くと育てるのに難しいイメージもありますが、生育力が強いものや日陰でもすくすくと育ってくれる品種など、初心者の方でも挑戦しやすくなっています。また誘引や花がら摘み、剪定などのポイントを押さえてしまえば、毎年楽しめることができるのもうれしいですね。
一季咲きや返り咲きなどさまざまな季節に楽しめるのも、つるバラの魅力の一つです。フェンスやアーチ、壁面などに這わせればいろいろな見せ方ができるので、個性を出して園芸を楽しみましょう。色や大きさなどたくさんの種類があるつるバラを、ご家庭で育ててみてはいかがでしょうか?