「森のバター」や「食べる美容液」などといわれるほど栄養価の高いアボカド。中央アメリカ原産で、1000品種以上あるともいわれています。
そんなアボカドですが、実は、食べた後の種を水耕栽培で育てることができると知っていましたか?
大きく濃い緑の葉が幹の上部に広がり、温かな存在感があるため観葉植物として育てる方もいます。
水耕栽培と聞くと、苗から育てるより難しそうだと感じるかもしれませんが、コツを押さえておけば、初心者でも簡単に発芽させることができます。
今回は、アボカドの水耕栽培の方法と守っておくべきポイントをご紹介します。
アボカドをよく食べる方は、一度試してみてはいかがでしょうか?
実は観葉植物にも!アボカドの特徴
アボカドの原種は30mの大木に成長するものもあります。ただし、種から育てるアボカドが実をつけるのはかなり難しいです。数本植えて、うまく雌花と雄花が受粉したとしても5?6年はかかるといわれていて、長い目で見守る忍耐力が必要です。
科名属名 |
クスノキ科ワニナシ属 |
学名 |
Persea americana |
和名 |
ワニナシ、アボカド |
分類 |
常緑 |
開花時期 |
5月 |
原産地 |
熱帯?亜熱帯地域(中央アメリカ) |
大きさ |
1m~30m |
アボカドを水耕栽培するとメリット色々
アボカドは、土栽培と水耕栽培で育てることができます。
今回おすすめする水耕栽培のメリットを挙げておきましょう。
水耕栽培とは
養液栽培のうち、培地(土)を使わず液肥を与える栽培方法が水耕栽培です。身近なところでいえば、カイワレ大根も水耕栽培になります。
水と養液があればできるので、手軽に始められる栽培方法です。
水耕栽培のメリット
�@ 用土の準備が必要ない
一番のメリットは用土の準備が必要ないことです。特に初心者にとっては、最初のステップでの用土の準備は荷が重いですよね。
発根したあとに大きく育てたければ、土に植え替える必要はありますが、ファーストステップは簡単である方が取り掛かりやすいです。
�A 地面を耕しておく必要がない
地植えをする場合、たい肥や腐葉土を撒いて耕しておく必要があります。
�B 省スペースで栽培できる
コップやペットボトルで育てられるので、場所を取りません。
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意外と大切!アボカド水耕栽培の時期と環境
アボカドは寒さと乾燥に弱い植物です。15?20℃を保てる環境があればいつでもできますが、温度管理しないのであれば5?6月が最適です。
買ってきたアボカドを冷蔵庫で保管すると、種が冷えて発根しにくくなるのでおすすめしません。
種を使って水耕栽培を始めるつもりなら、常温で保存しておきましょう。
アボカドの水耕栽培に必要な準備物
�@ アボカドの種 1つ
�@ 栽培用の透明の容器
�A つまようじ 3?4本
容器はコップでもペットボトルの底部分を切り取ったものでもいいですが、縁につまようじをひっかけますので、つまようじと種の合わせた直径よりも小さなものを選んでください。
発根した際、根が伸びるスペースが必要ですので、ある程度深さのあるものを選びましょう。
アボカドを水耕栽培する手順を詳しく解説
いよいよ水耕栽培を始めていきます。手順を詳しく解説していきますので、参考にしながら一緒にやっていきましょう。
なお、アボカドの種は乾燥に弱いので、食べた後は早めに作業に取り掛かるのがおすすめです。
アボカドの水耕栽培の仕方�@:容器を洗う
水耕栽培は水が腐りやすく、菌やカビも繁殖しやすいので、はじめに容器を中性洗剤で洗い、しっかり汚れを落としましょう。そして、洗剤が残らないように丁寧にすすぎます。
アボカドの水耕栽培の仕方�A:種に付いた果肉を落として洗う
果肉は種子の成長を抑制する働きがあります。種についた果肉はしっかり取り除きましょう。油分がついていますので、ぬめりがなくなるまで洗います。ぬめりがなかなか取れないときは、水で薄めた中性(食器用)洗剤で洗うといいですよ。
アボカドの水耕栽培の仕方�B:種に爪楊枝をさす
種のとがっている方を上にして、種の真ん中あたりに爪楊枝を刺します。容器の縁にひっかけるので、均等になるように刺していきます。やや下向きに刺していくと、容器の水にしっかり浸すことができますよ。
爪楊枝は深く刺しすぎないようにしましょう。中心にある胚に傷がつくと発芽しなくなります。
アボカドの水耕栽培の仕方�C:容器にセットする
容器に水をいれて、アボカドの種を置きます。種の半分から1/3ぐらいまで水に浸かる水量がベストです。水は腐りやすいので毎日取り替えましょう。1カ月から2カ月ほどで種が割れて発根します。
アボカドの水耕栽培を成功させるポイント
発根を成功させるポイントはおもに3つです。
�@ 日当たりのいい、暖かい場所に置く。
�@ 乾燥しないように水やりをする。
�A 冷たい風(エアコンの風など)が当たらない場所に置く。
生育期に当たる春から秋は液肥をあげるとよく育ちます。小さいうちは茎が細く柔らかいので、支柱があると倒れなくて安心です。
茎がのびたら、必要に応じて剪定して整えましょう。若木のうちは寒さに弱いので、とくに防寒対策には気を付けてください。
アボカドが発芽したら?水耕栽培を続ける場合の栽培方法
発芽した後、そのまま水耕栽培で育てることも可能です。その場合、背が高くなる植物ですので成長に合わせて容器の深さを変えていく必要があります。
ポイントは、水に養液を足すことと、根が全部水没してしまわないように水位を調整することです。
成長したアボカドに合う大きさの容器が見つからない場合は、鉢植えに「ハイドロボール」という素焼きの石のようなものを土の代わりに使用するのもおすすめです。
ハイドロボールには貯水機能があり、必要なときに根が水を吸い上げます。ハイドロボールを使用する場合、ひと目では水の量がわからないので、一緒に水位計も準備するといいでしょう。
ただ、ハイドロボールは根腐れを起こしやすいので、根腐れ防止剤などを使った方がいいかもしれません。
水耕栽培後のアボカドをもっと大きくするなら鉢植えで
水耕栽培でも育てることはできますが、成長は用土に比べて緩やかになります。大きく育てたいなら鉢植えにしましょう。
大きめの鉢にアボカドの種を植え替えます。時期は5?6月が最適です。根は弱いのであまりいじらないように移動させましょう。
大体1?2年に1回のペースで植え替えが必要になるかと思います。生育環境によりますので、用土の状態や鉢から根が出てきていないか確認しつつ必要に応じて植え替えをしてください。
まとめ
身近な食べ物であるアボカドが観葉植物として日々の暮らしを彩ってくれると思うと、なんだか楽しくなってきますね。
一見そうとは見えないので、初めて見る人にアボカドだと伝えたら、きっと驚いてくれるでしょう。
食材として健康と美容を支え、食べた後は、目を楽しませ心を癒してくれるアボカドに、なんだか愛着が湧いてきますね。
食べてよし、育ててよしの万能なアボカドの水耕栽培に挑戦してみませんか?
いつかその思いが実を結んで、おいしく頂けるかもしれませんよ。
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