2024/06/15

オリーブの剪定方法について解説!綺麗に仕上げるためのコツも紹介

オリーブは、初心者でも育てやすい植物とされています。それ故に、伸びすぎてしまって困っているという声もちらほら聞こえてきます。

常緑高木であるオリーブは、ある程度伸びたころに剪定しないと、思っていた以上の大木になってしまいます。

この記事では、オリーブという植物の特徴から、育てるうえで必要な剪定について、またそのメリットから方法、適切な時期などについて解説しましょう。
また、剪定の後に行うべきお手入れについても合わせてご紹介。

これからオリーブを育てたいという方へ、そして現在育てている方へ、オリーブを上手に育てるヒントを届けます。

剪定前に知っておきたいオリーブの知識

剪定前に知っておきたいオリーブの知識

地中海沿岸から中東一帯を原産地とするオリーブは、モクセイ科オリーブ属に分類される常緑樹です。

日本では香川県の小豆島などで栽培され、「太陽の樹」という別名もあるように、温暖な土地でたっぷりの陽の浴びて育つイメージの植物です。
初夏には白い小さな花を咲かせますが、園芸的な分類では「庭木」や「観葉植物」として扱われています。

「旧約聖書」にあるノアの方舟のエピソードでは、大洪水の終わりを知らせるために戻ってきたハトがくわえていた枝、それがオリーブでした。以来、オリーブは「平和の象徴」としても知られています。

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オリーブに必要な剪定とは?

オリーブに必要な剪定とは?

オリーブを上手に育てるには、剪定を行う必要があります。
「剪定」とは、木の枝を切ることによって樹の形を整えることを言います。
剪定を正しいタイミングで行っていないと、気づいたときには大きくなりすぎていて、手の付けようがなくなってしまうことがあるので、注意が必要です。

なお、卓上サイズの小さな鉢植えのオリーブについては、ダメージが大きく枯れてしまうことがあるので本格的な剪定はおすすめできません。伸びすぎた枝が気になる場合には、最小限度の切り戻し程度にとどめておきましょう。

では、オリーブの剪定にはどのような目的があるのでしょうか?
剪定することで得られる効果についても合わせて見ていきましょう。

意外な効果も?オリーブを剪定するメリット

意外な効果も?オリーブを剪定するメリット

オリーブを剪定する目的は以下の3つです。
・木が大きくなりすぎるのを防止する
・枯れた枝や害虫によって傷んだ枝を取り除く
・木全体への日当たり・風通りをよくする

一つずつ解説していきます。

木が大きくなりすぎるのを防止する

木が大きくなりすぎるのを防ぐことで、その後のお手入れもしやすくなります。
大きくなりすぎてしまっては、自分たちだけでは扱いきれなくなってしまいます。

枯れた枝や害虫によって傷んだ枝を取り除く

害虫の被害を受けた枝を放置しておくと、腐食が進んでしまうため、取り除く必要があります。
傷んだ枝を剪定で取り除くことによって、健康な部分に栄養がたくさんいくようになるため、よりよく育つようになります。

木全体への日当たり・風通りをよくする

剪定することで、木全体にまんべんなく日や風が当たるようになります。
そうすることで、病気や害虫の発生を防止することができます。

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オリーブの剪定に適した時期とタイミング

オリーブの剪定に適した時期とタイミング

オリーブを剪定するのに適した時期は、2月中旬?4月です。
冬場の休眠期は避け、生育が始まるこの時期に剪定するのが良いとされています。このタイミングに剪定することで、切り口がふさがりやすく、枯れるリスクが低くなるのです。

基本的には、上記の時期に剪定をすれば、次は翌年で良いのですが、成長期の5月?10月にかけては樹の形が乱れ、日や風の通りが悪いようであれば、適宜不要な枝を切り落とす(切り戻し)などの手を加える必要があります。

では、実際にオリーブを剪定するのに準備が必要なものを紹介します。

オリーブの剪定に必要な準備

オリーブの剪定に必要な準備

オリーブの剪定に必要なものは、剪定ばさみと癒合剤(ゆごうざい)の2つです。

枝を切るので、もちろんはさみは必要ですが、癒合剤は何に使うのでしょう。
それは、切り口から病気が入り込まないように切り口を保護するために使用します。
殺菌効果があるものも市販で手に入れることができます。

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オリーブの剪定の基本!どの枝を剪定すればいい?

オリーブの剪定の基本!どの枝を剪定すればいい?

挿し木に使う意図がない限り、その年に伸びた新しい枝(新梢)は剪定しません。オリーブは新しい枝に翌年花が咲き、実が成ります。

オリーブの剪定で切り落とす枝は以下の3つです。

?@邪魔な枝:長く伸び出していたり、横に広がったり、込み合っている枝
?A不要な枝:折れている・害虫被害で枯れていたり、貧弱であったり、内側に伸びたり、他の枝と交差する枝
?B長い枝:20?p以上伸びる枝

では、これらの枝をどのようにカットすれば良いのか見ていきましょう。

オリーブの剪定方法ステップ?@:まずは間引きから

オリーブの剪定方法ステップ?@:まずは間引きから

間引きとは、不要な枝を根元から切る作業のことです。
間引きによって、株全体の枝数が減り、日や風の通りが良くなります。

オリーブの剪定方法ステップ?A:切り戻しをして仕上げ

オリーブの剪定方法ステップ?A:切り戻しをして仕上げ

切り戻しとは、伸びた枝の途中で脇芽がある先で切り落とす作業のこと。
切り戻しによって下の脇芽に栄養が行くようになり、また崩れかけた樹の形を整えることが可能になります。

オリーブの剪定を成功させるためのコツ3選

オリーブの剪定を成功させるためのコツ3選

剪定を失敗しないためのコツを3つご紹介します。

癒合剤を忘れずに

1つめのコツは、枝の切り口には癒合剤を塗ること。
いくら枝をうまく切っていても、切り口から枯れてしまったり、病原菌が入り込んでしまったりということがあります。
切り口に癒合剤を塗っておくことで、よりオリーブは健全に育ちやすくなります。

虫食いはスプレーで対策

2つめのコツは、虫食いが見られた場合には、幹専用の噴射式殺虫スプレーを使用すること。
オリーブの太い幹の部分に穴が開いていたり、樹皮表面にかさぶたのようなものが見られたりすると、それはゾウムシやカミキリムシの可能性が高く、殺虫スプレーで対処する必要があります。

太い枝はノコギリで

3つめのコツは、細い枝と太い枝で道具を使い分けること。
比較的枝の細いオリーブですが、太い部分は剪定ばさみではキレイに切ることができません。
太い枝にはノコギリを用いるとうまく剪定することができます。

オリーブの剪定後におこなうお手入れは?

オリーブの剪定後におこなうお手入れは?

剪定した部分は菌が侵入しやすくなっています。繰り返しになりますが、枝の切り口には癒合剤を塗りましょう。
特に2?p以上の直径がある太い枝には必ず癒合剤を塗布するようにしましょう。そうすることによって余分な水分の吸収や樹皮の乾燥を防ぐだけでなく、害虫を予防することができるので、枯れるリスクを下げることができます。

剪定を終えた後の配置場所や水やりの回数は特に変える必要はなく、これまでと同様の方法で大丈夫です。

そして、剪定した枝は、挿し木することでまた大きく育てることができます。
次はその挿し木の方法について解説します。

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剪定した枝は再利用できる!オリーブの挿し木方法について解説

剪定した枝は再利用できる!オリーブの挿し木方法について解説

剪定した枝は挿し木することで株を増やすことが可能です。
挿し木する際には、春以降に出た新梢(一年枝)の付いた枝を使用します。

挿し木を行うには、その時期がポイントとなります。オリーブの成長がいったん緩やかになる初夏の6月中旬?7月頃がベストです。

挿し木する枝を10?pほどの長さに切り分け、根元に近い方を斜めに切り落とします。
切り落とした後は乾燥しないように、切り口をすぐに水につけましょう。

湿らせた鹿沼土を入れた大きめの平らな鉢に、挿し木を挿して水をかけ根元を固める、もしくは挿し木用の土で固めます。この時の深さは、葉芽が2芽ほど隠れる程度が目安です。

5?pほどの間隔をあけて挿せば完了です。

挿し終えたら、直射日光が当たらない半日陰においてあげると、1ヶ月ほどで芽吹き、さらに2ヶ月経つと発根します。

まとめ

銀色の美しい葉を持つオリーブ。うまく育てるためには、適切な時期・タイミングに正しく剪定する必要がありますが、このページでご紹介したように、切り落とす枝の種類と3つのコツを抑えていれば、剪定は難しい作業ではありません。

挿し木で株を増やして行くことができるので、たとえ剪定に失敗したとしても、挿し木で再チャレンジすることもできます。

オリーブは、知識さえあれば育てるのはとても簡単で、そして挑戦し甲斐のある観葉植物です。ぜひ、トライしてみてください。

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