ヒヤシンスは鉢だけでなく、水耕栽培で育てられる花です。ペットボトルを容器代わりにして育てる方法もあり、初心者でも簡単に育てられます。
しかし、いくら簡単だといってもヒヤシンスの球根のことや栽培を始める時期、日常の管理方法などを知らないと、うまく育ちません。そこでヒヤシンスがどんな花で、どのように水耕栽培すると良く成長して花が咲くのか紹介していきます。
ヒヤシンスとはどんな花?基本情報を紹介
ヒヤシンスはキジカクシ科ツルボ亜科ヒヤシンス属に属しており、学名は Hyacinthus orientalisといいます。和名は飛信子または風信子です。最初にヒヤシンスの特徴や起源についてみていきましょう。
ヒヤシンスの特徴や起源について
ヒヤシンスは多年草の球根植物です。耐寒性があり、秋植え球根で、春先に花を咲かせます。ヒヤシンスの原産は地中海東部沿岸で、現在のトルコ、イラン、シリア、レバノン、イスラエル、トルクメニスタン付近です。
野生のヒヤシンスを栽培しはじめ、園芸植物としたのはオスマン帝国で、伝承では1583年にムラト3世がイスタンブールに5万本のヒヤシンスを集めさせました。16世紀前半にはヨーロッパでも栽培を開始し、16世紀末にはイギリスにまで伝わっています。
やがて、ヨーロッパの園芸愛好家から注目を浴び、数多くの品種改良が行われました。最終的には、2,000種以上の栽培品種が作られ、日本には1863年にもたらされました。
ヒヤシンスは耐寒性がある球根のため、古くから品種改良が重ねられています。そして、水耕栽培ができる園芸植物です。次に水耕栽培のメリットについて紹介していきましょう。
ヒヤシンスを水耕栽培するメリット
ヒヤシンスは水耕栽培に適しているといわれていますが、本来の植物の育て方である土を使うのとどう違うのでしょうか?改めて水耕栽培のメリット、デメリット、土で育てる場合との違いについて紹介していきましょう。
水耕栽培の定義とその利点・欠点
水耕栽培は土を使わずに植物を育てる方法で、必要な栄養分は水に溶かして与えます。球根の部分に養分が溜まっている植物を育てるのには非常に適していると言えるでしょう。
水耕栽培のメリットは室内で栽培できることです。温度調整がしやすく、害虫や病原菌を防ぐことも難しくありません。
そのほかにも生育が比較的早く、水やりの回数が軽減できる、土づくりが不要で小さなスペースでも栽培できるといったこともメリットです。デメリットは、初期費用が掛かることや、水質の維持に手間がかかることで、根菜系のものを作ることはできません。
さらに水耕栽培の場合は、一度の開花で球根の栄養をすべて使い切ってしまうので、一度花が開くと二度と花が開きません。
土で育てる場合と比較して解説
水耕栽培は土で栽培する場合と違って成長速度が速いといわれています。土を使った場合、土をかき分けながら根を張りますが、水耕栽培は根の抵抗となる土がないため根が成長するのが速く、結果的に株全体が速く大きくなるのです。
また水耕栽培は室内で栽培するので、天候の影響を受けにくく、また病原菌が発生しにくいといわれています。
ただし家庭の室内では、日照が不足したり、光の当たり具合を間違えると水の中に藻が発生したりする場合もあるので、水の管理には土で栽培するよりも手間がかかるでしょう。
ここまで水耕栽培について土栽培との比較やメリットデメリットを紹介していきました。ここからはヒヤシンスに話題を戻し、良質なヒヤシンスの球根を見分ける方法について紹介していきましょう。
水耕栽培に最適!良質なヒヤシンスの球根を見分ける方法
ヒヤシンスを水耕栽培する際に、いちばん大事なのは球根です。球根を購入する際にどんな球根を買うと立派なヒヤシンスが咲くのか、あらかじめ知っておくと後悔しません。ここではヒヤシンスの球根を購入する時に知っておくとよいことを確認していきましょう。
ヒヤシンスの球根購入の際に覚えておきたいこと
良質なヒヤシンスの球根のポイントのひとつ目は、球根の大きさです。これはヒヤシンスに限らずどの球根植物でもいえることですが、特にヒヤシンスは大きな球根を選びます。
球根が大きければ大きいほど、花の茎の周りにびっしりと花がつき、とても華やかです。反対に小さい球根の場合は、花びらがまばらにつきます。適切な球根の大きさは、直径15?16センチくらいです。
また外の皮の部分に注目してください。皮に少し艶があるものはよい球根で、同時に傷や虫食いの跡がないかを確かめましょう。ちなみに、外皮が固くてずっしりと重い球根は健康な球根です。球根の底の部分は小さく傷のついていないものを選びましょう。
良質なヒヤシンスの球根を手に入れたら、いよいよ水耕栽培です。次に水耕栽培に適切な環境と必要な条件について紹介します。
ヒヤシンスを水耕栽培する適切な環境と必要な準備
ヒヤシンスを水耕栽培する適切な環境と条件、栽培に必要な具体的な道具と準備について解説します。
水耕栽培に適した場所や温度などの条件
ヒヤシンスは秋に栽培を開始して冬の間に成長し、春に花が咲きます。そのため、育成のための環境としては寒さが必要です。寒さがないと根が伸びにくい性質があります。
ヒヤシンスの球根を手に入れたら、最初は冷蔵庫などの冷暗所で1ヶ月ほど管理します。これは球根に冬の寒さを疑似体験させることが目的です。
芽が出てからのヒヤシンスの生育温度は10?20度が適しているので、屋内で栽培します。冬の間、屋外に出すと温度が低すぎるので室内で管理しましょう。
ヒヤシンスの水耕栽培の道具と準備
いよいよヒヤシンスの水耕栽培を始めるために必要な方法と準備について紹介します。ヒヤシンスの栽培開始時期は11月?12月です。この時期に始めると、ベストシーズンといわれている翌年の2?4月ごろに花が楽しめます。
準備するものは球根とガラス容器、もしあれば園芸用活力剤と根腐れ防止剤です。ガラス容器は縦に細長いほうがおすすめで、ガラスの容器の中でヒヤシンスの白い根っこが増え、伸びていく様子が見られます。
栽培の方法は、最初に球根をのせる容器を洗剤でよく洗います。次に、球根に土がついている場合は根を傷つけないように慎重に手で球根の土を落としてから水で洗います。
あとは容器に水を入れて球根をのせるだけです。根腐れ防止剤と園芸用活力剤を水に混ぜておくと、根腐れが防止でき、ヒヤシンスの生育がより良くなるでしょう。水は、球根の下の部分がギリギリ浸かるぐらいにします。
なお、ヒヤシンスの球根にはシュウ酸という成分が含まれており、皮膚にかゆみや炎症を起こす場合があるので、皮膚の弱い方は軍手を使って作業をしたほうが安心です。
ヒヤシンスが成長してきれいな花を咲かせるために必要なものは水です。次に栽培中の水の管理方法について紹介していきましょう。
ヒヤシンスの水耕栽培は「水」が命!適切な水の管理方法
ヒヤシンスの水耕栽培で大切なのは水です。水の管理を怠ると根腐れを起こしたり、生育が悪化したりします。ここではヒヤシンスの水耕栽培に適切な水の量や水質、交換時期について紹介していきましょう。
適切な水の量や水質、交換周期について
ヒヤシンスの球根から根が出るまでは、お尻の部分が水に浸かるくらいにしておきます。その際の水の入れ替えは、1週間に1度程度です。ヒヤシンスが発芽したら、水替えは月に2?3回行います。
また、根が水と触れていればよいので、根が出た後は根の先3分の1くらいが水に浸かる程度に水を入れ、球根の下部は水が触れないようにします。球根が長期間水についたままにすると、球根が腐る原因になるからです。
次はヒヤシンスを水耕栽培する日常管理について紹介しましょう。
ヒヤシンスを水耕栽培するその他の日常管理
水耕栽培で芽が出たヒヤシンスを春の花がつくまでの2?3ヶ月間、どのように管理したらよいかを紹介していきます。
ヒヤシンス水耕栽培の肥料の与え方
ヒヤシンスの水耕栽培で与える肥料は、特に必要ありません。球根の中に栄養分があるからです。しかし、タイミングよく肥料を与えるとより元気に育ち、きれいな花が咲きます。
肥料は液体肥料を使い、通常の二倍以上に薄めて水替えのタイミングで水に混ぜて与えましょう。
適切な光、温度、湿度の管理方法
ヒヤシンスの芽が出るまでは冷暗所で育てますが、芽が出たら光の当たるところに移動させます。ヒヤシンスは日光を好むので、できれば自然光の当たるところがよいでしょう。
この際、日の当たり具合が偏らないように工夫しなければなりません。容器を回したりしてまんべんなくヒヤシンスに日光を当てます。
ヒヤシンスの水耕栽培の病害虫対策
ヒヤシンスに限らず水耕栽培の場合は、病気や害虫による被害がほとんどありません。ただし、花が咲いた後に花がらを摘みましょう。花が枯れたままにしていると、その花がらが原因で病気になることがあります。
ここまでヒヤシンスの日常管理について紹介しました。水耕栽培ではそれほど手間をかけずにヒヤシンスを育てられますが、やはり失敗することもあります。次に失敗例とその対策について紹介しましょう。
ヒヤシンスの水耕栽培が上手くいかない?失敗例とその対策
ヒヤシンスの栽培は簡単ですが、しっかりと管理していないと失敗します。では、どのような場合に失敗するのでしょうか?以下に失敗例と対策を紹介します。
ヒヤシンスの水耕栽培の失敗例と対策
ヒヤシンスの水耕栽培は遅くとも12月初旬までに始めてください。年が明けた1月以降では遅いのです。
また、悪い球根を選んでしまうと生育がよくありません。特に初めて栽培するときは、根腐れ防止剤を入れないと失敗する可能性があります。
そして、暖かい場所に置くと球根が腐るので注意が必要です。もちろん、水を換えないのも失敗の原因です。
またヒヤシンスの根は一度取れてしまうと二度と生えません。水替え時に誤って根をとってしまわないように注意してください。
ヒヤシンスはペットボトルを容器にしてもきれいに咲くほど簡単ですが、もっと楽しむ飾り方や贈り方があります。次は飾り方や贈り方について紹介しましょう。
ヒヤシンスの水耕栽培をもっと楽しむ贈り方・飾り方
晩秋から水耕栽培を始めたヒヤシンスが春に美しい花を咲かせると、育ててよかったと嬉しくなりますが、ここではもっと楽しめる飾り方や、贈り方について紹介します。
インテリアやプレゼントにするアイデア
ヒヤシンスには2000種以上も種類があり、色や咲き方はさまざまです。部屋のインテリアに合う色のヒヤシンスの球根を手に入れるとおしゃれな空間が広がります。また、スイセンなどほかの球根植物と合わせて楽しむのもよいでしょう。
さらに、ヒヤシンスをプレゼントする場合、花だけを贈るのもよいですが、プレゼントをより長く楽しむために水耕栽培のキットを贈る方法があります。球根とガラス鉢がセットになったギフトセットがおすすめです。ヒヤシンスの水耕栽培はそれほど難しくないので、花束ではなく成長する過程を楽しんでもらうのも素敵なプレゼントです。
ここまでヒヤシンスの水耕栽培についてお伝えしましたが、最後にヒヤシンス以外に水耕栽培に適した花について紹介しましょう。
水耕栽培に適したその他の花
水耕栽培できる花はヒヤシンスだけではありません。結構多くの種類の花が水耕栽培できるので、ヒヤシンス以外も挑戦してみましょう。初心者向きで育てやすい球根が、チューリップ、クロッカス、ムスカリです。
そのほかにもスイセン、ポトス、サフラン、シラー、ステルンベルギヤやミントなどのハーブ類も水耕栽培に向いています。またアイビーやアロマティスカス、さらにトマトなどの野菜でも水耕栽培できるものがあり、意外に種類は豊富です。
関連記事:ポトスを水耕栽培で育てよう!初心者向けに注意点やコツを紹介
関連記事:チューリップの水耕栽培にチャレンジしよう!手順や開花のコツ等
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ヒヤシンスの水耕栽培をはじめてみよう!
ヒヤシンスは簡単に室内で水耕栽培できる球根植物です。
水栽培なので難しくありませんが、ヒアシンスの球根のことや栽培を始める時期、あるいは水替えや温度管理を知らないと、せっかく栽培を始めてもうまく成長できません。
初めて行うからこそしっかりと栽培に必要なノウハウを学んだうえで挑戦しましょう。