まるでフリルのような花とほのかな香りが特徴の「スイートピー」の花。誰もが知る花で、フラワーギフトとしても非常に人気があります。
花としては人気があり、よく知られていますが、スイートピーの花が咲く時期や育て方についてはあまり詳しくない方も多いかもしれません。
そこで本記事では、スイートピーとはどんな花で、自分で育てる場合に気を付けるべきポイントについて解説。
お勧めのアレンジメントや特に喜ばれるシーン、スイートピーを購入するフラワーショップの選び方など「贈り方」についてもご紹介します。
自分の楽しみとしても、誰かへの贈り物としても人気が高いスイートピー。さまざまな形で暮らしをカラフルに彩ってくれるスイートピーについて、より詳しく知ってみませんか?
スイートピーの色・香りや花言葉は?
蝶を連想させるかわいらしい形をしているスイートピーの花は、パステルカラーから濃い紫まで、さまざまな色があります。
英名の「sweet pea」には「香りのよいエンドウ」という意味があり、甘い香りも魅力のひとつです。
イタリアのシチリア島が原産で、日本でも品種改良が盛んに行われています。
春から初夏(3〜6月)にかけて開花時期を迎える品種が多いですが、夏や冬に咲くものも。つる性の一年草・宿根草で成長すると3メートル近くまで大きくなるので、自宅に植える際は定期的な切り戻しでお手入れすると良いでしょう。
スイートピーの花言葉は「門出」や「別離」、「優しい思い出」、「永遠の喜び」など。
「門出」「別離」は、スイートピーの花が飛び立つ蝶に似ていることに由来するとされています。
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スイートピーの種類は100種類以上!有名な品種を一覧でご紹介
スイートピーの種類は、なんと100種類以上あります。今回は、その中でも特に有名な10品種を紹介します。お花屋さんに並んでいる品種も多いので、スイートピーを選ぶときの参考にして見てください。
ロイヤルホワイト
日本原産で、ドイツの国際花メッセ(IPM)で最優秀賞を受賞しています。純白の花びらの先に、わずかにグリーンがかっているのが特徴です。
ステラ
透明感のある淡いクリームイエローの花が特徴です。他のスイートピーに比べて、特に甘い香りがあります。
ムジカスカーレット
明るい紫がかった赤色の花です。巻きひげがなく、他の品種よりも栽培管理が楽なため、初心者にも人気があります。
ダイアナ
イギリスの王妃・ダイアナの名にちなんだスイートピー。とても人気があり、淡い桜色から濃いピンクまで色のバリエーションが豊富です。
ハニーレモン
スイートピーは淡い色がほとんどですが、ハニーレモンは鮮やかな黄色の花を咲かせる珍しい品種です。
ビオラ
濃い紫の花で、秋から春先にかけて出回ります。落ち着いた雰囲気の花束を作りたいときにお勧めです。
恋式部
スイートピー生産量世界一の宮崎県で開発された「式部シリーズ」のひとつで、淡いピンクと白のツートーンです。日持ち性に優れています。
ブルーリップル
爽やかなシアンブルーに吹きかけ模様が入っている、珍しい品種です。紫色の花をつけることもあります。
シルキーピーチ
名前の通り、絹のように透明感のある花びらが特徴。色合いは淡いオレンジがかったピンクで、希少品種です。他のお花と合わせやすく、卒業式などのブーケにぴったり。
キューピッドステラ
ステラの突然変異から生まれた品種です。変わり咲きが特徴で、つぼみのような楕円形の花をつけます。現在、4種類ほどのキューピッドステラが栽培されているようです。
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お気に入りの品種は見つかりましたか?
スイートピーの基本や品種についてご紹介したところで、続いてはスイートピーの具体的な育て方について見ていきましょう。
スイートピーの花を種から育てるならまく前に「吸水処理」
スイートピーを自宅に植える際には、「種から育てる」方法と「苗から育てる」方法がありますが、種から育てる際はまく前に吸水処理をすることをおすすめします。
スイートピーは種が硬い「硬実種子(こうじつしゅし)」なため、土に埋める前に水を吸わせて柔らかくすることで発芽しやすくするのです。
吸水処理の方法は簡単で、一晩水につければOK。
スイートピーの発芽温度はおよそ15℃。春咲きの場合は9月下旬〜10月中旬、夏咲きの場合は10月中旬〜11月に種をまきましょう。間隔を20〜25cmあけて2〜3粒ずつ種をまき、その上から土を1cmかぶせます。
種をまく場所は、花壇にスペースがあるなら直まきが安心です。
スペースがない場合はポットで育苗して後から移植もできますが、その時に根を傷めてしまうと花が咲かなくなってしまうことがあるため、十分注意しましょう。
スイートピーの花を植え付けるポイントは?
スイートピーの苗をポットで購入したり、ポットにまいた種が十分に育ったら、花壇や大きな鉢に植え付けしていきます。
スイートピーに最適な土を作る
スイートピーの生育に最適な土は、水はけのよい弱酸性の環境です。
花壇に直接植える地植え(じうえ)の場合は、植え付けの2週間前までに苦土石灰(酸性土壌改良材)をまき、土壌の酸度を和らげて弱酸性の状態を作っておきます。
鉢植えの場合は、ホームセンターなどで売られている培養土を準備しましょう。こういった市販の培養土は酸度調整済みのことが多いため、あえて苦土石灰をまく必要はありません。
また、スイートピーの苗を植え付けする場所は、40センチぐらいの深さまで耕しておいて下さい。これは、スイートピーの根が「直根性」で真下に深く伸びるためです。
植え付けする場所は、できるだけ日当たりや水はけ、風通しのよい場所を選びます。つるを這わせるフェンスやネットなどを置くと、スイートピーが大きくなっても管理がしやすいためおすすめです。
スイートピーの植え付け手順
土の準備ができたら、実際に植え付けを行っていきます。
まず、ポットから土ごと苗を抜き取る
そのまま、土壌を準備した場所に植え付け
複数の苗を植え付ける場合、種まきと同様20〜25cmの間隔を空ける
ポットから苗を出す際は、土をほぐさず、太い根を触らないように注意します。
スイートピー1本の太い根が地中に伸びていく性質のため、この根を傷めてしまうとうまく根付かない可能性が高いからです。植え付けの際も、深植えにならないよう注意しつつ、そのまま優しく土に埋めてください。
ちなみに、スイートピーは連作を嫌うため、昨年と同じ場所に地植えするのはおすすめできません。
植え付け後のスイートピーの花はお手入れが必要?
植え付けが完了したら、定期的にお手入れをして生育を促進しましょう。
まずは、水やりについて。
スイートピーは、乾き気味の土で育てることが基本です。特に地植えの場合、よほど乾燥下土壌でない限り、水やりの必要がありません。鉢植えで育てるなら、土の表面が乾いてきたら水やりしましょう。根が深いため、たっぷり与えて下さい。
肥料を追加する場合は、開花中のタイミングに行います。スイートピーはそもそもあまり多くの肥料を必要としない植物なので、一般的な植物より少なめの分量で追加するのがおすすめ。
つるが7〜8節伸びたら、つるの先端を切り取る作業(摘芯)をします。伸びているつるを切ってしまうことに抵抗を覚えるかもしれませんが、摘芯をすることでわき芽が増え、結果的に花数が増やせます。
また、準備の際にフェンスや網などスイートピーを絡ませるアイテムを準備している場合、日々伸びていくつるを誘引する作業も大切です。
たくさんのスイートピーを楽しむには「花がらつみ」を忘れずに!
スイートピーの開花時期になり、花が咲き始めたら、花色が褪せて薄くなってきたものを積極的に取り除くようにしましょう。この作業は「花がらつみ」とも呼ばれ、花の数を増やす効果があります。
スイートピーにとっては子孫を残すことが一番重要なので、古くなった花をそのままにしておくと、徐々に種を作ることにエネルギーが回るようになり、花の数は減ってゆきます。
そのため、より多くの花を長く楽しむには、咲き終わった花を摘むことで、種を作れないようにすることが効果的なのです。
スイートピーの花が咲いたら収穫!花を長持ちさせる収穫の方法
丹精込めて育てたスイートピーの花は、そのまま鑑賞するのも良いですし、収穫して生け花や贈り物に使っても◎
そこで続いて、スイートピーの花を長く楽しめる収穫のコツを解説します。
スイートピーの花を収穫する際は、まず花ばさみ・フラワーナイフなどを使って茎の向きに対して垂直にカットします。これは、細くて柔らかいスイートピーの茎を斜めに切ると、つぶれやすくなってしまうから。
また、スイートピーは根っこに近い方から順に開花していく性質があるので、下の方の花は古くなっていることが多いです。花びらが透け始めているものは、茎に沿って下方向にひっぱり摘み取りましょう。
生け花やアレンジメントとして楽しむ際、市販の「切り花鮮度保持剤」を使うと長く楽しめますよ。
また、スイートピーの花は繊細なので、エアコンの乾燥した風が当たらない場所に置きます。どうしても乾燥が気になる場合は、定期的に霧吹きでお花に水を吹きかけると長持ちしますよ。
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スイートピーの育て方から収穫まで、一通りご紹介しました。
ここから先は、おすすめアレンジメントやフラワーギフトとしての贈り方を見ていきましょう。
スイートピーで花束を作りたい!アレンジメントのコツは?
色のバリエーションが豊富なスイートピーは、フラワーアレンジメントに向いています。
特にチューリップやマーガレットとの相性がよく、組み合わせると春らしくて可愛らしい花束ができあがります。
また、スイートピーだけで作れば、とても柔らかくて優しい花束になるでしょう。パステルカラーの品種を選ぶと、いっそう柔らかさが引き立ちます。スイートピー単体でのアレンジメントは、特にウェディングブーケにおすすめです。
また、スイートピーは茎がしっかりしているため、1本巻いただけでも絵になります。あまり手入れしなくても長く楽しめるため、ぜひ気軽に贈ってみて下さいね。
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スイートピーの花を使ったフラワーギフトがぴったりのシーン
スイートピーは、贈り物としてもたいへん人気のある花です。そこで、スイートピーの花を使ったフラワーギフトを贈るのにぴったりのシーンやイベントを見ていきましょう。
スイートピーは「門出」や「永遠の喜び」といったポジティブな花言葉のため、特に三月の卒業シーズンに贈られることが多い花です。まさに蝶が飛び立つ瞬間のような姿をしたスイートピーにぴったりですね。
また、柔らかく優雅な色みや甘い香りから、結婚式のウェディングブーケとしても人気があります。
それ以外にも、スイートピーは1月の誕生花であることから、1月生まれの人への誕生日プレゼントとしてもぴったり。本命のプレゼントに、スイートピーを1輪添えて渡すのも素敵ですね。
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まとめ
「門出」という花言葉を持ち、贈り物としても人気の高いスイートピー。
本記事では、お花の特徴や育て方だけでなく、スイートピーのそういった「贈り物」としての面もご紹介しました。フラワーギフトは、贈られた人だけでなく贈った人にもしあわせを与えてくれます。卒業や結婚などの新たな門出を迎えている大切な人には、ぜひスイートピーを贈ってみてはいかがでしょうか。