2024/06/13

満開のラナンキュラスを咲かせる育て方ガイド

春になると、お花屋さんでよく見かけるようになるラナンキュラス。薄紙のようにはかない花びらが幾重にも重なったラナンキュラスの花を家でも育てることができたら素敵だと思いませんか?

実はラナンキュラスは、育て方さえ知っていれば、初心者でも比較的簡単に咲かせられる植物です。

そこで本記事では、きれいな満開のラナンキュラスの花を咲かせるための、育て方のコツをご紹介いたします。ラナンキュラスのお花を上手に育てるためには、どんなことに注意をしたら良いのか知っておきましょう。
今年の春は、ラナンキュラスの花を庭に迎えて、新鮮な気持ちで新年度を始めてみてはいかがでしょうか。

育てやすい?ラナンキュラスの特徴

育てやすい?ラナンキュラスの特徴

春に人気のお花であるラナンキュラスについて、みなさんはどのくらいご存知でしょうか。
まずは、ラナンキュラスの基本情報をご紹介します。

ラナンキュラスは早春から春にかけて開花をする多年草です。秋に球根を植えると、3月から4月に花を咲かせます。そして、暑い夏に入ると休眠します。

「ラナンキュラス」という名前は、ラテン語の「rana (カエル)」 が語源となっていると考えられています。これは、ラナンキュラスの原種の葉の形がカエルの足に似ていることや、ラナンキュラス属の植物の大半がじめじめとした湿地帯を好むことが理由。

ただ、一般的に園芸用として広く流通しているラナンキュラス・アシアティクス(Ranunculus asiaticus)という種類は、じめじめとした場所が苦手です。日が良く当たる水はけがよい場所で育ててください。太陽の光をよく当てると、茎葉がかたく、丈夫に育ちますよ。

耐寒性はあまり強くないので、寒さが厳しい冬には、葉や土が霜で凍らないように鉢全体をビニール袋で覆うなどして保護します。

ラナンキュラスの球根を植える際には、吸水処理が必要です。同じく球根から育てるチューリップと比べると難易度は若干高くはなりますが、病気や害虫などの被害を受けにくいので、初心者の方でも比較的楽に育てることができますよ。

草丈も15から30センチ程度なので管理がしやすい花です。ものによっては、直径10センチほどにもなる見ごたえのある大きな花を咲かせます。

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育て方(1):ラナンキュラスの球根・苗を選びましょう

育て方(1):ラナンキュラスの球根・苗を選びましょう

ラナンキュラスを育てることを決めたら、まずは球根か苗を買いましょう。球根から上手に育てるためにはコツがいるので、一からチャレンジしてみたい方は球根を、初心者の方は苗を購入するのがおすすめです。

ラナンキュラスは品種改良が盛んに行われてきたため、たくさん種類があります。
品種別に販売された球根の中から、お目当ての種類を購入しましょう。カビが生えておらず、キズがない、乾ききった球根を選んでくださいね。

苗の場合は、すでに花が咲いていたり、つぼみがついていたりします。
選び方のポイントは、株がしっかりとしていて、葉が生き生きとした濃い緑色をしていること。特に、つぼみがたくさんついている苗を選ぶとよいですよ。

また、花びらの枚数が多いラナンキュラスの花は、つぼみの時と開花したあとで、花の色が違う場合があるので注意が必要。色にこだわりたいのであれば、一輪は開花している株を選び、色を確認してから購入するとよいでしょう。

ラナンキュラスの苗は、1月から3月をピークに、11月末頃から開花期の4月頃まで流通しています。実際に開花するのは春先ですが、開花の直前の状態まで育てられた苗は、それよりも早く出回っているんですね。

開花時期が近づいた春先に出回っている苗は十分に育てられており、ものによってはすでに芽が出ているものもあるほど。ここまで来たら、あとは簡単です。

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育て方(2):ラナンキュラスを植え付ける

育て方(2):ラナンキュラスを植え付ける

ラナンキュラスの植え方はどのように行えば良いのでしょう。球根から育てる場合と、苗から育てる場合の2通りの植え付け方法についてご説明します。

球根から育てる方法

ラナンキュラスの球根は、完全に乾いた状態で販売されています。そのため、球根を植える前に、水を吸わせる「吸水処理」をしなければなりません。

吸水は、湿らせたバーミキュライトなどを用います。
ラナンキュラスの球根をバーミキュライトで包みこむようにして一晩寝かせてください。その際、バーミキュライトは新品のものを使い、バーミキュライトと一緒の器に球根を入れて、上から霧吹きなどで充分に水分を与えるとよいでしょう。

ただし、水に浸けすぎるとカビが生える恐れがあるので要注意です。
ラナンキュラスの球根が吸水し、膨らんだことが確認できたら、土に植え替えてください。

球根から育てる場合の植え付け時期は、晩秋から初冬ごろ。特に地温が下がり、土の水分量が低下する11月頃から12月頃が最適。
逆に、秋のはじめの9月中旬頃は避けるべき。まだ地温が20℃以上あり、雨も多い時期なので、球根が腐りやすいからです。

植え付けは、地植えでも鉢植えでもどちらでもOK。
地植えの場合は、15センチほど間隔をあけ、土の表面から深さ約2から3センチのあたりに球根を植えましょう。

鉢植えの場合は、12から18センチの大きさの標準鉢を用います。
球根の上に厚さ約2センチ分の土が被るように植えます。鉢植えは特に、土が乾きすぎると根張りが悪くなってしまうので、葉っぱが少ない段階でも、水やりを忘れずに行ってください。

苗から育てる方法

球根から育てる場合と比べ、苗の植え付けははるかに簡単です。
開花前の11月末頃から開花期の4月頃までの間のタイミングで苗を購入し、植え付けしましょう。地植えでも鉢植えでも大丈夫です。苗の根鉢を崩さないように注意しながら植え付けし、その後たっぷりと水をやってください。

ラナンキュラスは日当たりと水はけの良いところを好むので、球根から育てる場合でも、苗から育てる場合でも、置き場所にも注意を払うことが必要です。日の当たる風通しの良い場所に置いてあげてくださいね。

ただ、夏場の高温や直射日光はNGです。プランターや鉢植えで育てる際には、明るい日陰に移動させてください。そして、うまく育てるためには、土選びも大切です。ラナンキュラスは培養土でよく育ちます。

育て方(3):ラナンキュラスの苗のお手入れ

育て方(3):ラナンキュラスの苗のお手入れ

ラナンキュラスの植え付けが完了して開花するまで、水やりと害虫対策のお手入れが必要です。11月や12月に球根を植え付けた場合は、春先に花が咲くまでの約3から5か月間、開花を心待ちにしながら以下のお手入れをしてあげてください。

水やり

ラナンキュラスを地植えした場合、基本的に水を上げる必要はありません。ただし、雨がしばらく降っておらず、土が乾燥している時には水やりをします。

鉢植えの場合は、土の表面がしっかりと乾いた状態になっていたら水やりを行います。しかし、球根が腐りやすいので、水やりのしすぎは禁物です。しっかり乾燥していることを確認してからお水をあげましょう。

病気・害虫対策

大事に育てたラナンキュラスが病気になってしまったら悲しいですよね。そうなることを避けるためには、水はけの良い環境で育てることが大切です。

風通しが悪く、土が湿った状態が長く続くと、ラナンキュラスが灰色かび病にかかってしまうことがあります。水やりの際には、極力葉っぱを濡らさないように注意して株もとに水を流し込みます。水やり後は、よく日の当たる場所で管理しましょう。

また、ラナンキュラスにアブラムシやエカキムシなどの虫がつかないようにするために、殺虫剤を使用してください。

育て方(4):ラナンキュラスの花が咲いたら

育て方(4):ラナンキュラスの花が咲いたら

花が咲いたら、できるだけ長く鑑賞したいですよね。ラナンキュラスは、球根植物の中では比較的長持ちするお花なので、寄せ植えにしたり、花壇に植えたりと、いろいろな楽しみ方ができますよ。

ここでは、開花後のラナンキュラスのお手入れのコツをご紹介いたします。

まず、花が咲いたら、水やり時は特に注意が必要です。
花に水がかかってしまうと薄い花びらにシミができてしまうので、気をつけてください。また、終わった花をそのままにしておくと、カビや病気、害虫が発生しやすくなります。色あせてきたり、しぼんでしまったりした花がらは摘み取ってください。

育て方(5):花が終わったら「切り戻し」と「堀り上げ」

育て方(5):花が終わったら「切り戻し」と「堀り上げ」

お花の開花時期が過ぎたら、「切り戻し」と「堀り上げ」の処理をしましょう。
ラナンキュラスの花を翌年も楽しむためには、花が終わった後に切り戻し、球根を掘り上げる必要があります。そのまま土に埋めておくと、腐ってしまう可能性があるためです。

ラナンキュラスの枯れた花をそのままにしておくと病害虫の原因となってしまいます。そのため、花が終わったら、伸びすぎた花茎のみを切り取り、株を短くし、切り戻します。

そして、葉が枯れるまでしっかりと日を当て、光合成を促進させましょう。
これにより、球根が太り、次の年にさらにたくさんの花を咲かせてくれますよ。その後、葉が黄色くなって枯れたら球根を堀りあげ、洗います。

洗った後はしっかりと乾燥させ、バーミキュライトで包み、風通しの良い暗所で保管します。

堀り上げ不要?植えっぱなしで開花する「ラックス」シリーズのラナンキュラス

堀り上げ不要?植えっぱなしで開花する「ラックス」シリーズのラナンキュラス

上で説明した球根の堀り上げが手間に感じてしまうなら、堀り上げの必要がないラナンキュラスの品種を選ぶと解決できます。

それが、ラナンキュラスの「ラックス」シリーズ。この種類は、植えっぱなしでもちゃんと翌年花を咲かせてくれます。

ラナンキュラス・ラックスはキラキラと輝く花びらと、背丈の高さが特徴です。枝分かれして咲く「スプレー咲き」の花なので、一本で多くの花を楽しめます。

ラックスシリーズで、楽ちんガーデニングを楽しんでみてはいかがでしょう。

ラナンキュラスは球根を分球して増やせます

ラナンキュラスは球根を分球して増やせます

ラナンキュラスの球根を増やすことができることをご存じでしょうか?

5から6月ごろ、掘り上げた球根を分球することで、増やすことができます。「分球」とは、大きくなった球根を分けることです。ラナンキュラスの芽は、球根の付け根の白く短い毛が生えている部分から生えてくるので、この部分を付けて分割します。

今回は、ラナンキュラスの育て方についてご紹介してきました。ラナンキュラスを球根から育てるのは少し知識が必要ですが、苗ならば初心者でも簡単に花を咲かせることができます。

今年は、繊細で美しく、カラフルな花びらを咲かせるラナンキュラスを、花壇や鉢植えで育ててみるのはいかがでしょう?きっと毎日、庭やベランダを見るのが楽しくなりますよ。

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