ミモザは、小さなポンポンとした黄色の花を咲かせることが特徴の人気の高い花木です。
ふんわりとした優しく甘い香りも特徴的で、その香りは香水として使用されるほど。
お花屋さんでは春先や国際女性デーの時期に多く販売されますが、「毎年のように自宅でミモザを楽しめたらいいのに」と思う方も多いのではないでしょうか?
そんなミモザは、鉢植えで育てられます。本記事では、ミモザを鉢植えで育てる方法や、自宅でも綺麗な花を咲かせる心得に関してまとめたので、是非参考にしてください。
ミモザってどんな花?】鉢植えでも楽しめる春の花木
まず初めに、ミモザの種属や原産地などの基本情報について説明します。
ミモザの基本情報
英名 |
mimosa |
科 |
マメ科(ネムノキ科) |
属 |
アカシア属 |
開花時期 |
2〜4月 |
原産地 |
オーストラリア |
ミモザの花は、ギンヨウアカシア・房アカシア・パールアカシア等の総称です。(本来の「ミモザ」は、オジギソウを示す言葉でした。)
春頃に咲くミモザは、マメ科(ネムノキ科)に属する植物。マメ科というと珍しく感じますが、ソフォラ、エバーフレッシュなどもマメ科の観葉植物です。
原産地はオーストラリアですが、日本の気候でもミモザを育てられます。
また、ミモザの草丈は5m以上になるので、スペースなどを考慮して鉢植えを楽しみましょう。
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ミモザの鉢植えには何がいる?必要なモノをご紹介
比較的大きな草丈のミモザですが、鉢植えに必要なモノはそれほど多くはありません。本項を参考に、鉢植えの必需品を理解し準備しておきましょう。
ミモザの苗
ミモザは枝が細いので、木の幹が太いものを選びましょう。販売されている苗の中で、極端に枝が少ないものは避けておく必要があります。
植木鉢
深い植木鉢を選ぶことをおすすめします。
植え替えの頻度を低くするために、大きめの鉢を準備しておくと良いでしょう。
培養土
ミモザは、やせ地でも育つたくましい花木です。市販の培養土を使用することが可能。
鉢のサイズに合わせて培養土を準備しましょう。
ミモザの鉢植えに最適の栽培環境とは
お花によって、鉢植えに必要な環境はそれぞれ異なります。ここでは、ミモザを鉢植えする場合、どのような環境条件となるか説明します。
日当たり
ミモザは日当たりの良い場所を好みます。
花木にしっかりと日光を当てることで、綺麗な花を咲かせることができるのです。
風通し
ミモザは、風通しが良い環境を好みます。
一方、特に若木の時期は樹木が不安定なことが多いので、強い風が当たらない場所で育てるのがベスト。
用土
ミモザは土質に左右されない花木なので、市販の培養土が使えます。
赤玉土(中粒)2:腐葉土1の割合で混ぜ合わせた配合土でも問題ありません。
肥料
ミモザの花がうまく咲かない場合は、花木の周りに腐葉土を混ぜ込むと良いです。黄色の綺麗な花が咲いたら、リン酸とカリの含んだ化学肥料を使用しましょう。
さらに、ミモザの樹木は大きくなりますので、鉢が窮屈になった場合には植え替えが必要です。植え替えを行う場合、腐葉土と赤玉土を混ぜておきましょう。
病気
水はけの良くない場所で育ててしまった場合、カビてしまうことがあります。さらに、葉にカビがついてしまうと、上手く光合成できず成長の妨げになる場合も。
湿度が高い時期の栽培には気を付けましょう。
冬季
ミモザは寒さに強い樹木ですが、冬場の気温がマイナスになるエリアにお住まいの方は注意が必要です。寒くなる冬季は、ミモザを軒下や室内に移動して育てるのがおすすめ。
ミモザの育て方を鉢植えから手入れ方法までステップごとに解説
上記では、ミモザの鉢植えに必要なモノと環境について説明してきました。ここでは、具体的にどのように鉢植えをするべきかについて解説します。
植え付け
ミモザの植え付けは、気候が暖かい4〜5月の暖かい日がおすすめです。
一度植えると鉢の中で移動することはできないため、成長具合をイメージしながら植え付けましょう。
添え木
購入してきたばかりの苗は根が切られており、幹と根が非常に不安定です。植え付ける時には添え木をしましょう。
添え木をすることで鉢中のミモザが安定するため、雨風時も花木が倒れてしまうか心配しなくて良くなります。
鉢替え
- 水を与えると以前と比べてみると、すぐに土が乾いている気する
- 最近、水やりの頻度が上がった
上のような状態が続く場合、根詰まりを起こしている可能性があります。
現在の鉢より大ぶりな鉢に植え替えをしましょう。
植え替えの際、枯れている根がある場合は切っておくとさらに良いです。
収穫
ミモザの花が枯れないうちに花木をカットしましょう。
カットしたお花を花瓶に生けることで、室内でも楽しむことができます。
さらにミモザはドライにしやすいお花。ナチュラルな革ひもや、可愛いリボンを集めてリースやスワッグ・ドライフラワー作りにもチャレンジしてみてください。
剪定(せんてい)
毎年綺麗な花を咲かせるために必要な剪定。ミモザは剪定に強い樹木です。
黄色の花が茶色く変色したら、なるべく早めに剪定をはじめましょう。
寒い時期の剪定は、樹木が枯れてしまう原因になり得るのでNGです。
また、樹木は固いので木はさみ・剪定ばさみを用意しておきましょう。はさみが入らない程太い樹木に成長している場合、剪定時にノコギリを使うこともあります。
小さく育てたい場合:芯止め
樹木を大きく成長させたくない場合は、芯止めをしましょう。主になる幹(一番太い幹)の上を切る方法のことを「芯止め」と呼びます。
上部分を切るので、樹木が大きくなることを防ぐことが可能。さらに、木を強くしたい場合にも芯止めは効果的なので試してみてください。
不要な枝を間引きしたい場合:透かし剪定
枝を減らすと隙間が出来て、日当たりが良くなることでミモザが元気になります。
また、強風時に枝が裂けてしまうことも防げるので安心です。
「透かし剪定」を行う際には、樹木の上部分から、幹の確認をして剪定していきましょう。
元気がない枝や、病気がちの枝は切り落としてください。枝を切る際には、花芽が作られる場所や左右のバランスにも気を配って切っていくとさらに良いでしょう。
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知らないと損する?ミモザの鉢植えの選び方・育て方のコツ5つ
最後に、ミモザを鉢植えする際の注意点について解説します。
ポイント�@:幹の太いミモザを選ぶ
ミモザの若い木は、幹が安定していないということを覚えておきましょう。
市販のミモザを購入する場合、幹の太いものを選ぶことをおすすめします。
枝の数も豊富で、葉の色も綺麗なものを選ぶと良いですね。
ポイント�A:家屋から離れたところで栽培する
ミモザは高さの出る樹木です。家屋に近い場所で栽培すると部屋の中に光が入らなくなる、なんていうことになってしまう場合も。
鉢を置く周辺には、ゆとりを持たせましょう。
ポイント�B:植え付けは4月から5月に
ミモザの植え付けは、寒すぎず暑すぎない4月〜5月がベスト。なるべく晴れた暖かい日に、植え付けを行いましょう。
また、市販の苗の取り扱いが多くなる時期も、春過ぎからです。
ポイント�C:害虫に注意
鉢植えの場合においても、害虫関連には気を付けたいもの。
ミモザを育てる際に、特に気を付けたい害虫を3種類ご紹介いたします。
ミノムシ
暑い夏の季節、ミノムシの幼虫が付くことがあります。
この時期の幼虫をそのままにしてしまうと、幼虫が成長した頃に葉を食害してしまうのです。
ミモザは黄色の花だけではなく、葉の美しさも楽しみたいもの。
せっかく育てるならば、美しい状態を保ちたいので気を付けていきましょう。
駆除した後も葉に付く場合は、薬剤を散布することをおすすめします。
カイガラムシ
夏〜秋頃に気を付けたい虫。カイガラムシは、ミモザの樹液を吸汁します。
カビが葉についてしまう「すす病」を誘発してしまうので見つけた場合には駆除が必要。
カイガラムシは見た目にも分かりやすいので、ブラシ等で落としましょう。
固くなり取れなくなってしまった場合は、枝を切り薬剤を撒いておくと安心です。
アブラムシ
新芽には、アブラムシが付きやすいです。目で確認できる大きさの虫なので芽部分には気を付けましょう。
接着テープなどで駆除できますが、範囲が広い場合は薬剤を使用して駆除しましょう。
ポイント�D:土は乾燥気味に
花木の水やりと言えば頻繁にするイメージはありますが、鉢植えのミモザは、乾燥気味の地面で育てましょう。
水やりの頻度は、表面の土が乾いてから1日程度開けると◎
夏場は気温も上がるので、土にしっかりと水を含ませてあげましょう。
水やりの時間は早朝・夕方がおすすめ。夏場は気温が高くなり、水の温度も上がってしまうので花木の負担になります。
水やりの時間帯にも気を付けましょう。
まとめ
ミモザは鉢植えができるので、日本全国でミモザを育てて楽しめます。
苗を購入する前に、ご自宅のスペースで「日当たりがよく風通しの良い場所」を探してみましょう。
樹木なので、剪定などは必要ですが、剪定にも強いので園芸初心者でもOK。
お庭など広いスペースがある方は、将来的に鉢植えから庭木にもできます。
毎年、綺麗な黄色いお花を咲かせることができれば、気持ちも明るくなりますよね。
この記事を読んだあなたも、ぜひミモザの鉢植えにチャレンジしてみてくださいね!
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