お通夜や葬儀、四十九日や一周忌といった法要に参列する際に必要になるのが、お悔やみのお供え花です。
お供え花に、厳密なマナーやタブーはないとされていますが、一般的なマナーとして選ばれる花や贈るのにふさわしくないとされる花があることはご存じでしょうか。
また、贈るタイミングによっては、故人が亡くなるのを待っていたと誤解を与える場合があります。遺族や参列する方々に失礼のないように、最低限のマナーを身につけておきましょう。
今回は、四十九日の法要でのお供えにふさわしいとされる花やその色味、花を贈るタイミングについてご紹介します。例外もありますが、基本を押さえておけばマナー違反にはなりませんので、ぜひ参考にしてください。
四十九日のお供え花は白を基調にしたものにする
一般的に、お供えする花の色は四十九日の前か後かで変わります。お通夜、告別式など、四十九日の法要までに贈る花は、白一色で作る「白上がり」が基本です。厳密には贈ってはいけない花はありませんが、マナーとして、はっきりした鮮やかな色は華やかでお祝い向きに見えるので避ける方がいいでしょう。色味を加えたい場合は、淡い色を選びます。
ここでは、四十九日のお悔やみにふさわしい色みの花を加えたアレンジメントをいくつかご紹介します。
どなたにも贈りやすい「白一色の花」
故人と親しい間柄であったり、親族であったりする場合を除き、四十九日の法要には白一色の花を贈ることをおすすめします。
花の白と葉の緑が優しい雰囲気を作るので、遺族の心も慰められるでしょう。
性別や立場などに関係なく贈ることができるので、故人と親しくない場合や贈る花に困った場合は白一色が無難です。
さわやかな印象の「青を加えた花」
淡い青色は、故人が男性であった場合に贈られることが多いです。しかし、平和や誠実さ、慎ましさをイメージさせる色でもありますので、女性にも好まれます。
上品な印象の「薄紫を加えた花」
薄紫は上品な印象になります。相手に対する敬意や思いやりを表す色でもありますので、上司や目上の方の供花にもふさわしい選択です。淡い黄色も薄紫同様上品な印象ですので、失礼のないようにしたい方への供花におすすめです。
かわいらしい印象の「薄ピンクを加えた花」
柔らかい雰囲気になる薄ピンクを加えた供花は、女性や子どもへのお供えによく選ばれます。優しさや愛情などを表現したいときは薄ピンクがおすすめです。
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四十九日のお供え花はアレンジメント形式が基本
四十九日の法要の準備やもろもろの手配など、この時期の遺族は忙しいです。
そこで、活ける手間をかけさせないアレンジメント形式のものを贈ることがおすすめ。
アレンジメントなら、そのまま飾れますし、オアシス(水を含ませた台座)に活けてあるので、すぐに水をやる必要がありません。
遺族とも親しく、花を活けるのが好きだとわかっている場合は花束やブーケタイプでも構いませんが、アレンジメントの方が安心して贈れます。
関連記事:お供え花として贈りたいアレンジメントの選び方をシーン別に解説
四十九日のお供え花の相場は5,000円から10,000円
お供え花の相場は、故人との関係性によっても左右されますが、一般的な相場は5,000円から10,000円ほどです。
親しい関係や親族の場合は10,000円から15,000円程度が相場になるでしょう。
あまり大きな花を贈っても、同じ日に花がたくさん来るので扱いに困ることがあります。それを考慮した大きさを選びましょう。
2基(一対)送るなら相場も二倍の値段になります。送る数は1基でも問題ありませんので、法要が行われる場所を考慮して判断しましょう。
四十九日のお供えにふさわしくないとされる花
供花としてふさわしくないとされている花がいくつかあります。
・黒い花 ・・・ 不吉な色とされているため
・赤い花 ・・・ おめでたいときの色とされているため
・トゲがある花 ・・・ 殺生や怪我をイメージさせるため(バラ、ヒイラギ、ピラカンサスなど)
これらの花は、マナー違反とされることがあります。メインの花は、菊やユリ、胡蝶蘭などの定番の花がおすすめです。
故人が好きだった花を贈りたいが、こういったマナー違反の条件に当てはまってしまう場合は、一周忌の法要が終わってから贈るといいでしょう。その際、「○○さんが好きなバラを送らせていただきます。御仏前(ご霊前)にお供えくだされば幸いに存じます。」など、短くてもかまいませんのでメッセージを添えると、遺族にも気持ちが伝わります。
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四十九日のお供え花は前日か前々日に届くように準備する
四十九日の法要当日は忙しいため、前日か前々日に届くよう手配しましょう。葬儀社や会館などでの法要の場合、外部からの花は受け取れない場合があります。事前に会場に問い合わせして確認しておきましょう。
花屋に法要の日を伝えておけば、当日にきれいに咲く花を用意してもらえることもあります。購入する際は、お悔やみのお供え花であることを伝えましょう。
四十九日の法要は、必ずしも亡くなった日から49日目にするわけではありません。49日目を超えない日にするものですので、前倒しになっているかもしれません。必ず日取りを確認してから花を手配しましょう。
関連記事:四十九日のお供え花の選び方�h色や送るタイミングのマナーを知ろう
四十九日のお供え花が買えるお店
お供え花は、実店舗の花屋か通信販売で購入できます。それぞれのメリットとデメリットを紹介します。
街の花屋
実店舗で購入するメリットは、故人が好きだった花や故人の雰囲気、どんなアレンジメントにしてほしいかなどを店員さんに具体的に相談できることです。実際に花の状態を見て選べるので、遺族の手元に届く前に自分でチェックできるのがポイントです。
デメリットは、注文と受け取りの2回、店舗に足を運ぶ必要があること、法要までの間の花の管理(水やりや花粉の処理)が必要なこと、移動中の温度や花粉の管理です。店員さんにお願いしておけば花粉の処理はしてもらえるかもしれませんが、普段から花の手入れなどをしていないと花粉の処理などは難しいかもしれません。
通販の花屋
お花の通信販売を利用するメリットは、店舗に足を運ぶ必要がないこと、表示されるページも、予算や季節、特集などカテゴリに分けられている中から選べるので大きなマナー違反の心配がないこと、初七日やお盆など法事の日程に合わせて届けてくれる点、また花の管理が不要であることです。とくに、移動中に花を持つ必要がないので、花がしおれたり花粉が飛んだりしないように温度や水の管理をする必要がないのが最大のメリットといえるでしょう。
デメリットは、店員さんに直接相談ができないので、お供え花のフラワーギフトの細かいオーダーは難しいことです。
どちらもメリット・デメリットはありますが、花の管理に自信がない方や時間がない方、花選びに迷う方は、通信販売での購入がおすすめです。
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まとめ
四十九日にお供えする花は、基本的に白一色ですが、花の種類によってお悔やみの気持ちを表現することができます。また、最近は淡い色を加えたアレンジメントも広く受け入れられてきましたので、遺族にも慰めになるような花を選べるといいですね。
四十九日は一つの区切りの大切な法要です。故人が極楽浄土へ旅立つ門出とも言えます。故人を偲び、遺族を慰めるお供えの花が見つかることを祈っています。きっと故人にも気持ちが届くでしょう。
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