2023/05/19

お中元の意味は?お歳暮と比較しながら詳しく解説!

お中元は、お世話になった人や親類に贈るギフトです。
そもそも、なぜ「お中元」という文化が存在しているのか、お中元の意味は何なのか不思議に思ったことはありませんか?
なんとなくお付き合いとして贈っている、という人もいるでしょう。

お中元と言えば、お盆前後に贈るご挨拶として広く浸透しており、家族やお世話になった人、同僚や取引先など、その贈り先はさまざまです。

また、お中元と似たものに「お歳暮」があります。
お中元とお歳暮はセットで贈っているという人もいますが、その意味や起源は同じではありません。

今回は、お中元の意味や贈る時期、お歳暮との違いなどについて詳しく解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください。

お中元の意味とは?
贈る人と贈る時期

日本では、季節ごとに日頃お世話になっている人へ贈り物をする「お中元」と「お歳暮」が広く浸透しています。
どちらも、感謝の気持ちを込めて贈り物をする習慣です。
しかしお中元とお歳暮では、贈る相手や時期が違います。

お中元の概要

もともと中国で7月15日に神様をまつる風習があり、それと日本の仏教の盂蘭盆会が重なって、先祖の供養をする日として広まりました。
そこに集まった親類や近所の人には、お供え物のお下がりを配るのが習慣化されていきました。

江戸時代以降は、お盆のお礼として親類や菩提寺、お世話になった人へ贈り物をする習慣へと変化していったのです。
現在では、親類に限らず、お盆の時期のご挨拶として上司や取引先に送ることもあります。

お中元を贈る時期

お中元は旧暦の7月15日、お盆のお供え物のお下がりを配る習慣に由来しているため、おおむねお盆までに贈るのがマナーです。

地方によってお中元を贈る時期が少し前後するので、贈る相手の住んでいる地域や出身地なども考慮するといいでしょう。
もし、あまり時期を気にしないならば、お盆までに手元に届くように手配すると間違いがありません。

以下、各地方のお中元を贈る時期の目安です。参考にしてください。

贈る時期
北海道
  • 7月15日〜8月15日
東北
  • 7月初旬〜7月15日
関東
  • 7月初旬〜7月15日
北陸
  • 7月15日〜8月15日
  • もしくは
  • 7月初旬〜7月15日
東海
  • 7月中旬〜8月15日
関西
  • 7月中旬〜8月15日
四国
  • 7月中旬〜8月15日
中国
  • 7月中旬〜8月15日
九州
  • 8月1日〜8月15日
沖縄
  • 8月中旬〜9月初旬(旧暦の7月15日前後)

関連記事:秋の七草に代表される草花にまつわる日本の行事

お中元の意味を起源から解説!
中国からの伝来文化

お中元は、中国の道教が起源とされる風習です。
中国では1月15日の上元、7月15日の中元、10月15日の下元を「三元」と呼び、二十四節気などと同様、雑節の一つに数えられています。
また中元節は、冥界の帝「地官大帝」生誕祭とされており、地獄の扉が開き死者が許される日、贖罪の日とも言われています。

中国では、日本のように祖先の霊魂が帰ってくるだけでなく、悪霊もさまよう日と考えられているため、お供えや灯篭流しなどを行い霊魂を鎮めたそうです。

お中元とお歳暮を比較して分かる!
お中元とお歳暮の違い

お中元とお歳暮はセットで贈ることがよくありますが、お中元とお歳暮の違いは何なのでしょうか?詳しく解説していきます。

贈る人の違い

現在では贈る人の違いはあまり意識されていませんが、もともと贈る相手はそれぞれ違っていました。

もともと、贈る相手としては、
お中元:親族、近所の人など
お歳暮:親族、取引先など
とされていました

現在では、お中元とお歳暮で贈る相手に違いはありません。
お世話になった人や付き合いのある親族や両親、義両親、恩師、上司、取引先などに送るのが一般的です。

贈る時期の違い

お中元は前述した通り、お盆の時期に合わせて贈ります。
お歳暮は、1年の感謝を伝えるためのギフトと捉えるので、12月中旬からクリスマス前、もしくは年内に届くように手配します。
お歳暮も地域によって贈る時期が違うので、注意が必要です。

起源の違い

お中元の起源は中国の三元ですが、お歳暮は、日本の年神様のお供えを本家に持っていくという風習が起源の一つと言われています。

意味を知ってお中元を送ろう!
具体的な贈り方

お中元とお歳暮の違いが分かったところで、改めてお中元の具体的な相場やマナーなどについてご紹介します。

お中元の相場

お中元の相場は、次のような値段が目安です。

親族、知人:3000円
上司、恩師:5000円
特別お世話になった人:1万円以上

お中元は「お返し」をすることは少ないですが、あまり高価なものは相手に気を遣わせてしまいます。
もし、「お返し」をすることになっても相手の負担にならない金額を目安にしましょう。

熨斗(のし)の書き方・結び方

お中元を贈る際にかけるのし紙の書き方や水引の結び方は以下のようになります。

水引き 
  • 蝶結び
  • ※右側に濃い色が来るように結ぶ
表書き 
  • 上段に「御中元」
  • ※時期がずれる場合は「暑中見舞い」または「残暑見舞い」
名入れ 
  • 贈り主が個人で1名の場合はフルネーム
  • 目下の人宛ての場合は姓のみでも可
  • 連名の場合3名まではフルネームで、右から地位の高い順に
  • 地位に差がない場合、五十音順に
  • 4名以上なら代表者をフルネームで、その左にやや小さく「他一同」、「有志一同」、代表者以外の氏名は中包みに記載
のし紙
  • 郵送なら「内のし」、手渡しなら「外のし」が一般的

自分もしくは相手が喪中の場合、のし紙はかけずに白無地か白の短冊に「御中元」と表書きをして送ります。

また、肉・魚介類・鰹節などの生ものや食品を贈る場合は、熨斗が付いていないのし紙を付けましょう。

熨斗は、もともと縁起物として干したアワビを添えて贈ったことに由来しており、ギフトの中身が魚介類や食品の場合はお祝いのしるしと重複するためです。

さらに、仏前にお中元を供える場合は慶事を表す紅白蝶結びの水引ではなく、黒白結び切りの水引で、熨斗のない掛け紙を使用しましょう。

お中元におすすめのギフト

お中元は夏の時期の贈り物のため、アイスクリームなどの冷たいスイーツ、ジュースやそうめん、ビールなどの日持ちする食品が人気です。

このような定番の品でももちろんOKですが、季節のお花で挨拶と感謝を伝えるのはいかがでしょうか?

花言葉や贈る相手のイメージに合わせたフラワーアレンジメントならば、より一層気持ちを伝えることができます。
お花のお世話に慣れている方やガーデニングが好きな方には花束や鉢植え、観葉植物などがおすすめです。

お手入れが楽なものがいいなら、アレンジメントやプリザーブドフラワーを選びましょう。
お花だけの贈り物は気恥ずかしいという方は、定番の品物に小さめの花束やアレンジメントを添えてもいいかもしれません。

ぜひ、花言葉や伝えたいメッセージなどを添えて贈ってください。
きっと、印象深いお中元のギフトになると思います。

お中元の意味を理解してから
ギフトを贈ろう

本記事では、お中元の意味やお歳暮との違いについて紹介しました。

お中元は、中国が起源の鎮魂の行事と日本の盂蘭盆会が重なったもので、年月の経過とともにお世話になった人へのご挨拶の意味合いが強くなりました。
年賀状文化と同様、季節や年の節目にご挨拶するのは、古くから日本人が人とのつながりを大切にしてきた証です。

毎年の行事としてマンネリ化しているように感じる時は、お花を添えて一味違ったお中元の贈り物をしてみてください。

関連記事:お中元のお返しにおすすめのギフト5選!選び方やマナーも詳しく解説

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