2023/10/15

葬儀での「献花」とは?良く使われる花・不向きな花、マナーを解説

献花とは何かと聞かれると、花を故人に手向けるものというイメージがあると思います。
テレビなどでたまに献花をしている場面を見かける程度で、実際に献花をしたことがない人の方が多いでしょう。

よくある仏教の葬儀では、献花より焼香の方が主流です。
キリスト教の葬儀では献花を行いますが、そもそもキリスト教の葬儀に出席する機会は多くありません。
しかし、仏教の式で献花が行われることもあります。

そんな時に、献花に使われる花やマナーをまったく知らないと故人や遺族に失礼に当たるかもしれません。

本記事では、献花とは何か、献花に使われる花やふさわしくない花、献花のマナーについて紹介します。

献花とは?
葬儀で参列者全員が一本ずつ供える花

「献花」と聞くと、有名人の葬儀後のお別れ会など不特定多数の人がお悔やみのために贈る花というイメージがあるかもしれませんね。
献花とは、葬儀に参列した人が故人にお別れの気持ちを伝えるために、献花台(祭壇)に一人一本ずつ花を供えることを指します。
キリスト教の葬儀で行うお別れの挨拶としてはごく一般的です。

キリスト教以外の宗教でも、もちろん献花は行われますが、仏教では焼香や拝礼、神式では玉串拝礼が主流なので、個人の葬儀や家族葬ではあまり見かけないかもしれません。

献花と同じように、お供えする花といえば「供花(きょうか・くげ)」があります。
この二つは、花をお供えするという部分では同じですが、贈る対象に大きな違いがあります。
献花は一人一本、故人に対して花をお供えすることです。

供花は故人へのお供え物でもありますが、祭壇を飾るための花でもあります。
しかも、花を贈る対象は故人に対してだけではなく、遺族も含まれており、故人の近親者や関係者が贈るのが一般的です。

献花でよく使われる花の種類

献花では、一般的に葬儀にふさわしいと言われる花で白い色のものを使います。
葬儀にふさわしい花であれば種類にはこだわらないようですが、献花という特性上、茎が長く、強度があるもので一輪咲きの花が選ばれることがほとんどです。
それでは、献花でよく使われる花を紹介します。

ユリ

白ユリは、供花や法事のお供え物として選ばれることが多い花です。
キリスト教において、ユリは聖母マリアや大天使ガブリエルの象徴として知られており、キリスト教の葬儀では定番の花としてよく使われます。
白ユリの花言葉は「純潔」「無垢」なので、葬儀にもふさわしいでしょう。

カーネーション

カーネーションはキリスト教の献花で用いられることが多く、特にホワイトカーネーションが使われます。
カーネーションは、聖母マリアがゴルゴダの丘へ向かうイエス・キリストを見送る際に流した涙が落ちた場所から生えた花と伝えられており、キリスト教ではとてもなじみ深い花です。

また、アメリカの南北戦争時代に、ウェストバージニア州で敵味方の区別なく負傷兵の救護をした女性の死後、その子どもが亡き母への追悼集会を開いたときに献花として配られたのがホワイトカーネーションだったとも言われています。
そこから、献花としてホワイトカーネーションも主流となったようです。

この話は、母の日の始まりとして知られており、ホワイトカーネーションの花言葉「亡き母を偲ぶ」の由来にもなっています。

関連記事:母の日の由来とは?ギフトに最適なカーネーションの色と花言葉

日本において、菊は皇室の紋章や国家になるほど、古くから格式の高い花として用いられてきました。
また、菊は邪気を払うと言われており、種類も多く長持ちしやすいので、葬儀や法要でもよく使用されています。

白い菊の花言葉は、「真実」「誠実」です。

胡蝶蘭

胡蝶蘭は、花が鈴なりになった豪華な花です。
長持ちしやすく、美しい姿が故人を偲び遺族を慰めるのにふさわしい花として、葬儀にもよく使用されています。
お祝い事にも贈られる花ですので、胡蝶蘭を選ぶ際は献花であることや葬儀であることを忘れず伝えておきましょう。

白い胡蝶蘭の花言葉は「清純」です。

献花に不向きな花とは

キリスト教の献花は洋花であれば良く他の制限はありませんが、やはり献花という特性を考えると不向きな花もあります。

献花に不向きな花は、

  • 茎が細いもの、短いもの
  • とげがあるもの
  • すぐに萎びてしまうもの
  • 一輪咲きではないもの

などが挙げられます。

不向きな花でも故人が好きだった花を献花したいという希望があれば、葬儀社などに問い合わせてみましょう。
場合によっては、好きな花で献花することも可能です。

葬儀社によってはできないこともあるので、献花にする場合は先に確認しておくとトラブルが少ないでしょう。

献花を用意するのは
「喪主」の役割

献花を準備するのは喪主の役割です。
供花のように、参列者や近親者、関係者が準備することはありません。
参列者などが献花用にと持ってきても、献花できません。

献花の花は、葬儀社が手配することがほとんどのため、喪主自身が手配することは少ないでしょう。
献花の流れは、喪主から始まり、遺族、親族、参列者の順に行います。

献花する際の手順は以下のとおりです。

  1. 献花台に進み、係員から花を両手で受け取り胸の高さで持つ
  2. 茎を左側、右手は花の下、左手は茎の上に添える
  3. 順番が来たら遺族に一礼し献花台に進み、霊前で一礼する
  4. 花を時計回りに回し、茎元を霊前に向けて供える
  5. 合掌して一礼し、2,3歩下がったら遺族に一礼して戻る

キリスト教徒は、合掌ではなく十字をきったり手を組んで祈りますが、キリスト教徒でなければ深く礼をするか黙祷するだけでかまいません。

【参列者】献花を用いる葬儀に
呼ばれた時のマナー

献花をする葬儀に参列するときは、いつもと少し違ったマナーがあります。
ここでは、献花のマナーや献花料の相場について紹介します。

葬儀に参列する場合は「献花料」を用意する

献花がある葬儀に参列する場合「献花料」を用意します。
献花料の相場は、故人との関係で前後します。

親・子
  • 5〜10万円
兄弟姉妹
  • 3〜5万円
祖父母
  • 1〜5万円
叔父・叔母、伯父・伯母
  • 1〜3万円
上司・同僚
  • 5,000円〜1万円
友人・知人
  • 5,000円〜1万円

献花料を渡す際に一言添える場合、仏教なら「ご冥福をお祈りいたします」、キリスト教なら「安らかな眠りをお祈りいたします」と伝えましょう。

献花料を包む封筒は「不祝儀袋」または「白い無地」

献花料は、不祝儀袋か白無地の封筒に入れるのがマナーです。
仏教の場合は水引の付いた不祝儀袋でかまいませんが、キリスト教式のものは白無地や十字架が書かれたものが適しています。
蓮は仏教専用なので、キリスト教式の葬儀で間違えて使わないように注意しましょう。

表には薄墨で、キリスト教カトリックは「御霊前」「御ミサ料」、プロテスタントは「忌慰料」と書きます。

花百花の献花で伝わる想い

<h2>花百花の献花で伝わる想い</h2>
前もって献花のマナーや適切な花の選び方について知識を深めることは、事前の準備として非常に重要な点です。

しかし、葬式の会場に適切な花を選ぶこと、選ぶ方法は、宗派の名(キリスト教や仏式など)によっても異なるなど注意点が多く、多くの者にとって難しいケースもあるでしょう。

そんなときは、「花百花」がお手伝いします。花百花は、故人様を偲ぶための上質なお花を多数お取り揃えしており、四十九日やその他の仏式の行事にも対応しています。

献花の際にどのような花を選んだらよいか、また、香典や宗派に合わせた適切な花の一覧、献花を行う会場についてなど、必要な情報を提供しています。

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さらに、事前に相談を依頼することで、花百花の専門家が各ケースに合ったアドバイスを提供します。ご相談は何回でも無料ですので、お気軽にサービスをご利用ください。

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献花とは故人に捧げる花

献花とは、故人に捧げるお別れの挨拶です。
供花とは大きな違いがありますが、故人を見送るために贈るという意味では、込める気持ちに違いはないでしょう。
作法や決まり事などもありますが、最近では、花の種類もそれほど厳密に守らなくてもいいという風潮もあります。
故人が好きだった花にすることで、遺族も慰められますし、参列者も故人を思い出せるでしょう。

どのような状況でも、一番大切なのは故人を偲ぶ心です。
献花の際は、故人との思い出とともに、冥福を祈って花を手向けてください。

関連記事:仏花を選ぶ際に知りたいマナー|仏壇の供花に適したお花とは

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