秋の花といえば、どのような花が思い浮かぶでしょうか。花の季節というと春、紅葉の季節というと秋といった、イメージを持つ方が多いかもしれません。しかし秋に見ごろを迎える花は数多くあります。
同じく秋の花の名前も、さまざまなものがあるのです。夏の間に休んで秋から冬に向けて開花を目指す花や、秋だけ楽しめる花など、秋の花にも幅広い特徴があります。
また名前の由来も興味深く、花の見た目や咲く様子から名づけられた秋の花もあるのです。
それではどのような花が秋の花にあたり、秋の花にはどのような種類や名前があるのでしょうか。まずは秋はどういった花が咲くのか見ていきましょう。次に秋に咲く花の名前を、一覧で紹介します。
秋にはどういった花が咲く?3種類のタイプ
秋に咲く花の具体的な定義はありませんが、おおよそ3つに分けて考えられるでしょう。
春又は初夏から咲き始めて秋まで長く咲くタイプ
秋だけ咲くタイプ
秋から咲き始めて冬から早春まで長く咲くタイプ
秋といえば、一般的に9〜11月をいいます。この時期前後に開花時期がある花を、秋に咲く花として考えるとわかりやすいでしょう
過ごしやすい気候の秋に咲く花には、どのような種類があるのでしょうか。
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秋に咲く花15選!咲く月別にチェック
秋に咲く花は、さまざまな種類があります。他の季節に咲く花とは異なる美しさを持つ、秋の花を見ていきましょう。まずは9月に開花時期を迎える花について紹介します。
9月に咲くおすすめの秋の花
9月に入っても日中の暑さは続きますが、夜風が涼しくなりにわかに秋らしさを感じるようになります。9月には、どのような秋の花が開花を迎えるのでしょうか。
ガウラ
ガウラは「白蝶草(ハクチョウソウ)」とも呼ばれます。その名の通り、白い蝶のような形の花が特徴です。また北アメリカを中心に、約20品種ものガウラがあります。
花は3日程度しか開花しませんが、次々と咲くので可愛らしい花を長く楽しめます。暑さや寒さに強いため、ガーデニング初心者におすすめの花です。
キキョウ
キキョウは白・ピンク・紫などがあります。星形の花が特徴で、七夕にもおすすめの花です。秋の七草に指定され、日本では馴染みがある野草のひとつです。
キキョウは乾燥に弱く、日光を好みます。9月はまだ暑い日があるので、太陽に当たるところで欠かさずに水やりをしましょう。
キンモクセイ
キンモクセイは、黄色や橙色の小さな花を咲かせます。近所の公園などで良い香りがしたらキンモクセイだったという、経験のある方も多いのではないでしょうか。身近な花であるキンモクセイは、庭木として地植えで栽培ができます。
1日に4?5時間は日が当たるところで、水やりは控えめにします。雨が降る程度で十分なので、水の与えすぎには気を付けましょう。小さく育てたい場合は、鉢植えにすると家庭内でも楽しめます。
クレマチス
クレマチスは、上品な花びらが特徴の花です。色が豊富で白・黄・赤・ピンク・青・紫・茶・黒・複色などがあります。つる植物として有名で、フェンスに這わせて豪華な庭を演出できます。
初心者には難しいイメージもあるようですが、寒さに強いため育てやすい花です。新しい枝・古い枝、両方の枝から、花を咲かせる四季咲きタイプを選ぶと、ガーデニングが成功しやすいでしょう。
ケイトウ
ケイトウは、ふさふさとした見た目が特徴です。鶏のとさかに似ていることから、名前の由来にもなっています。黄・オレンジ・赤・ピンク・緑などの鮮やかな色の花を咲かせます。
熱帯地方が原産のため、暑さに強い花です。ただし蒸れには弱いので、風通しの良いところで栽培しましょう。ケイトウは一年草なので、1シーズンで枯れてしまいます。しかしこぼれ種が強いため、翌年は新しいケイトウを楽しめるでしょう。
次は10月の花をみていきましょう。
10月に咲くおすすめの秋の花
稲刈りが始まる10月になると、暑さが和らぎ秋らしさもでていきます。この時期に開花を迎える花には、どのような種類があるのでしょうか。
クジャクソウ
クジャクソウは、小さな菊のような花を多く咲かせます。別名「宿根アスター」とも呼ばれる、丸いフォルムが可愛らしい花です。色は白・ピンク・青・紫などを咲かせます。
暑さと寒さに強いため、初心者でも育てやすいでしょう。日当たりの良いところで、水はけに配慮すると花付きが良くなります。乾燥気味を好むので、表面が乾燥したら水やりをしましょう。
コルチカム(イヌサフラン)
コルチカムは、サフランに似た花を咲かせる球根植物です。鮮やかな紫色の花を咲かせます。耐寒性・耐暑性ともに強いため、土が凍結しなければ真冬でも外で育てられます。
秋から冬に向けて成長期に入るため、乾燥しない程度に欠かさず水やりをしましょう。
ダリア
ダリアは幾重にも重なる花びらが円形に広がる、美しい花です。大小さまざまな大きさと種類をもち、見る人の心もときめかせる容貌をもっています。色も豊富で白・黄・オレンジ、赤・ピンク・紫・複色などがあります。
日当たりが良く、風通しの良い場所で育てると長く楽しめるでしょう。切り花や、フラワーアレンジメントとして扱いやすい花です。
ミズヒキ
ミズヒキは、細い枝の先に小さな可愛らしい花をまばらに咲かせます。お正月飾りやのしに使われる飾り紐の水引きに似ていることから、ミズヒキという名前になったといわれています。花の色は、赤または白です。非常に丈夫で、こぼれ種でも増えます。放っておくと、次第に広がっていってしまうので、注意しましょう。
リンドウ
リンドウは、世界各国で楽しまれている花です。寒色系の色が有名なものの、白・水色・ピンク・赤紫などもあります。
乾燥が苦手なため1日1回、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。花がらを採らずに置いておくと種ができるため、採取した種で花を増やせます。
最後は11月に咲く花をみていきましょう。
11月に咲くおすすめの秋の花
すっかり秋めいた11月になると、日中でも肌寒さを感じるようになります。11月に開花時期を迎える花には、どのような種類があるのでしょうか。
オキザリス
オキザリスは5枚の小さな花を咲かせ、可愛らしさがあります。品種により開花時期が異なります。色は・白・黄・オレンジ・赤・ピンク・紫・複色など色とりどりです。
日が当たるとパッと花びらを開いて咲き、日が陰る雨や曇りの日は花を閉じてしまう、いじらしい花です。葉が茂っているときは、土が乾燥するたびに多くの水を与えましょう。
アメジストセージ
アメジストセージは粒上の小さな花を、縦に並べたように咲かせます。花の色は、アメジストのような紫色です。抗菌作用の強いハーブとしても知られています。
多年草のため、毎年開花を楽しめます。秋の日差しはアメジストセージに程よいので、日当たりのある所に置きましょう。冬に向けて休眠期にはいるため、水やりは寒さに合わせて、徐々に減らしていきましょう。
サルビア・アズレア
サルビア・アズレアは、花が踊っているような美しい形をしています。花の色は寒色系が多く、草丈が高いことも特徴です。
土が乾燥したらたっぷりと水やりをすることで、花やつぼの落下を防げます。根腐れしない程度に、土の状態を見て水やりしましょう。
シクラメン
シクラメンといえば、冬の鉢植えとして有名です。赤や白、ピンクといった花の色が楽しめます。ふんわりとした花が印象的です。
シクラメンはあまり、日差しを必要としません。秋はカーテン越しに日光に当てる程度で良いのです。冬になり日が短くなったら、日中は日光にあてましょう。風通しの良いところで栽培すると、毎年開花を楽しめます。
パンジー・ビオラ
パンジー・ビオラは、まるでこちらを見ているかのような、愛嬌のある花です。花の色は豊富で、複数の色で咲くパンジー・ビオラもあります。
鉢植えやプランターで育てる場合は、水やりは土の表面が乾いたら鉢底から流れ出るまで、たっぷりと与えましょう。とくに冬の時期は乾きやすくなるので、こまめに様子を見てあげると安心でしょう。水やりのタイミングは、朝や日中の暖かい時間帯が適しています。
これらの秋の花は、どのように楽しめばよいのでしょうか。以下にみていきます。
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秋の寄せ植えを楽しむためには「秋らしい色」を組み合わせよう
秋の寄せ植えは、落ち着いた色味の花をチョイスすることで、季節感を演出できます。鮮やかな花の合間に、ブラックやブラウンなど引き締まる色を持ってくると良いでしょう。
夏の寄せ植えから秋の寄せ植えに変える時期は、8月中旬?9月中旬が目安です。ただし台風が近づいているときは避けましょう。天候が安定しているときに寄せ植えを変えると、植物が根付きやすいのです。
また秋は実りの季節として、実ものを取り入れるだけでも秋らしくなります。実ものの植物では、ジュズサンゴやハッピーベリーなどがおすすめです。花とは異なる存在感で、秋らしさを盛り上げてくれるでしょう。
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まとめ
秋は過ごしやすい気候から、さまざまな種類の花が開花時期を迎えます。秋の花には暖色のものや、実の植物を使って秋らしさを演出できます。
名前の由来に趣があるため、秋の花を見ながら会話が弾むことでしょう。
秋におすすめの花は、植物ごとに日当たりがどの程度必要か考えて、栽培場所を決めましょう。秋の花の名前で調べると、生育のコツが分かりますよ。
秋も多くの花を楽しめます。この時期ならではの花で栽培やガーデニングをして、秋を満喫してみてください。
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