2023/04/02

育てて、観て、贈って楽しい ミニひまわり

ひまわりには、人の背丈をも越えるような背の高い植物のイメージがありますが、園芸店や花屋、ホームセンターを覗いてみると、思ったほど背が高くないなと感じられる小型の品種にたくさん出会うことができます。

いわゆる「ミニひまわり」は、その育てやすさや、コンパクトさゆえに手頃な贈り物としても年々、人気を得ています。

この記事では、ミニひまわりを育てる基本的な知識・注意点をご紹介すると共に、ミニひまわりはなぜ人気があるのか?
その理由についても考察してみました。

ミニひまわりとは?
品種改良された小型のひまわり

ひまわりを小さく育てるには、矮化剤(成長抑制剤)を利用することによって生育を抑える方法があり、そのように育てたものを「ミニひまわり」と呼ぶことがあります。
ただ、そもそもの性質として、それほど大きく育たないタイプのひまわりを含めた総称として「ミニひまわり」と呼ぶのが一般的です。
「矮性ヒマワリ」「テーブルヒマワリ」などと呼ばれることもあります。

キク科の一年草であるヒマワリ(向日葵)は、高いものでは草丈3メートルを越えるまでに大きく、大輪の花をつけるのが本来の特徴です。
いわゆる「ミニひまわり」は小型に品種改良されたものが主流で、成長しても丈は1メートル以下で、せいぜい80センチ程度まで、中には高さ20センチ程というかわいらしい品種もあります。

では「ミニひまわり」と呼ばれるひまわりには、どのようなものがあるでしょうか。
次項では代表的な品種をご案内します。

品種も多彩なミニひまわり!
人気の5種を紹介

「ミニひまわり」にも、草丈、花の大きさなどの違いによりさまざまな品種があります。
ここではガーデニングで人気の5種をご紹介します。

小夏

草丈は25センチ程度、花の大きさは10センチ程度の小さなひまわりです。
花粉が出ないので屋内でも育てやすく、花持ちがよいので長く楽しめます。
植木鉢で1輪づつ楽しむほか、寄せ植えにも適しています。
花壇やプランターに複数の種を植えて楽しみましょう。

グッドスマイル

地植えでは丈が45センチ程度、花は15センチ程度になりますが、鉢植えでは草丈12~18センチ、花の大きさは8センチ前後とかなり小さくなります。
一番の特徴は、夜間の気温が10度以上あれば冬場でも花を開くことで、長く楽しめるミニひまわりとして人気があります。

マンチキン

茎がよく分枝するので1株にたくさんの花が咲き、鉢でもプランターでもボリューム感を楽しむことができます。
地植えでは60センチから80センチ程の丈になりますが、鉢植えでは小ぶりに育ちます。
花は約12センチの鮮やかな黄色です。

ミラクルビーム

花は、ひとつの株から枝分かれして次から次に房咲きになり、花もちもよいので長い期間楽しめます。
草丈は40センチから60センチ程度で、花壇やプランター向きのミニひまわりといえましょう。

ジュニア

草丈は地植えで60センチ程度、鉢植えでは40センチ程です。
花は分枝性があり、花粉がなく花もちもよいので長く楽しめます。
病気に強い品種として知られており、育てやすいことも人気の理由です。

ミニひまわりを育てるには、
日当たり・風通し・水はけのよさが重要

ミニひまわりの育成に最もふさわしいのは、日当たり及び風通しのよい場所と水はけのよい土です。

ひまわりは太陽の光を好みます。
ミニひまわりも同様で、ガーデニングでは日当たりのよい場所を選んで直植えで育てるのが原則です。
屋内で鉢植えする場合も、ベランダや窓辺など日の当たる環境に置きましょう。
合わせて、風通しのよさも考慮しましょう。
日当たりと風通しのよい場所に置いたひまわりは生き生き成長し、病気や害虫にも強くなります。

土は水はけのよさを一番のポイントに選びます。
ひまわりは十分に水をあげながら育てますが、同時に過度の湿りも嫌います。
水はけの悪い土では適度な湿度を維持するのが難しいのです。

腐植性の低い庭地やプランターなどで育てる場合は、赤玉土と腐葉土(6:4~7:3)の用土に緩効性肥料を混ぜたり、園芸用の培養土を用います。
品種によって適性の差もありますので、購入時に園芸店などで相談してみるとよいでしょう。

ミニひまわりに適した環境を確保できたら、いよいよ種まきです。

関連記事:ひまわりの育て方|植えつけ・水やりから収穫まで

ミニひまわりを種まきから楽しむ

ミニひまわりの種まきは、4月から6月にかけて行います。
温暖地では早め、冷涼地では遅めとなりますが、葉桜の出る頃と覚えておくとよいでしょう。

成長後に混みあわないように間隔をあけて植え穴をつくります。
種は1カ所に2~3粒づつ、種同士が触れないように植えつけ、光が差し込まないようにしっかり土を被せます。

発芽したら、最も育ちのよいもの1本を残して間引きします。

ミニひまわりは水耕栽培(水栽培)で種から育てることもできます。
切り込みを入れたスポンジに種は1粒だけ植え、水を浸み込ませます。
専用の栽培容器の他、ペットボトルを応用した方法もあります。

関連記事:ひまわりを種まきから楽しむ!失敗しないポイントを解説

ミニひまわりの苗を植える。
根には傷をつけない!

ミニひまわりに限らず、ひまわりの栽培全般を通じて注意を要するのは、根を傷つけてはいけないということです。
「直根性」という特性を持つひまわりの根は、ダメージにとても弱いという性質を持っています。
ゆえに環境が許せば種を直まきし、株の植え替えをしないのが望ましいのです。
ミニひまわりは通常のひまわりほど深く根を張らないので、移植の作業自体は難しくありませんが、根を傷つけていけないことには変わりありません。

植え替えを前提に育苗ポットで種から育てた場合、また園芸店やホームセンターから苗を購入した場合は移植が必要となります。
その際、根を傷めないように苗はできる限り優しく動かしてください。
根の部分は土を崩さずそのまま移植します。

移植後は水をたっぷりあげましょう。
定植に成功し、水やりを続ければ、花が開くのを待つだけです。

ミニひまわりを楽しむ!
育成・管理の注意点まとめ

ミニひまわりを育てて楽しむための注意点をまとめておきましょう。

環境は、日当たり・風通しのよさが重要です。
土選びのポイントは水はけのよさです。
水切れはひまわりを弱らせ、過度の湿潤は根腐れを起こしてしまいますので、水はけのよい土壌が望まれます。
水やりも「乾燥させずかつ与え過ぎず」に留意しましょう。

根がダメージに弱いので、望ましい場所(環境)や土に直まきし、移植を避けるのが原則です。
苗を植えるなら、根を傷めないことに細心の注意を払いましょう。

ミニひまわりにナメクジやアブラムシ、ネキリムシなどの害虫がついたら速やかに駆除してください。
状況に応じて殺虫剤の使用も有効です。

ミニひまわりは総じて花が長く咲く一方、種はできにくいのが特徴です。
次代に種を受け継げない「F1種(一代交配、一代雑種)」として、売られているミニひまわりも多いようです。
次の春にまくための採種を予定しているなら、種選び、苗選びから注意しましょう。

最後に、ミニひまわりが愛される、人気の秘密について考察してみました。

人気の秘密!観てほほえみ、
贈って喜ばれるミニひまわり

ミニひまわりの人気の秘密は、なんといってもそのかわいらしさにあります。
通常のひまわりに比べ背丈が極端に低いのがミニひまわりの特徴ですが、ミニひまわりの花はそれほど極端に小さいわけではありません。
いわば通常のひまわりが八頭身のモデル体型だとすれば、ミニひまわりは赤ちゃん体型。
ミニひまわりを観ると思わずほほえんでしまうのは、かわいらしい、守ってあげたいと人が本能的に感じる「ベビーシェマ」と呼ばれる要素を持っているからではないでしょうか。

通常のひまわりより、鉢植えやプランターでの栽培に向いているのも人気の理由です。
ミニひまわりならお庭がなくても、窓辺に鉢を、ベランダにプランターを置いて楽しむことができます。

ひまわりは観ているだけで元気をもらえる花です。
切り花としても、花束やアレンジメントでたいへん人気のある花ですが、長く楽しんでもらうために鉢植えで贈るなら「ミニひまわり」という選択ができます。
ひまわりは、ギフトアイテムとしても強みを持った花といえるでしょう。

関連記事:ひまわりの花束は人の心をポジティブにするギフト

まとめ

小さい背丈ながら、夏の青空を背景に伸び伸びと咲く黄色い花には心が和まされます。

育てても、観賞しても楽しめ、プレゼントとしても喜ばれる人気のミニひまわりについて、その特徴や代表的な品種、育て方の基本についてご案内しました。
また、人気の理由についても考察してみました。

基本事項と注意点さえ押さえておけば、ミニひまわりの栽培は難しくありません。
種から育てた鉢植えのミニひまわりを、大切な誰かにプレゼントしてみてはいかがでしょうか。

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