2023/05/30

法事のお供え物は何を選べばいい?ポイントやマナー・おすすめの品物

法事とは、法要から会食までの一連の行事のことです。
法要は、代表的なものだけでも初七日から始まり、七日ごとの法要、四十九日、一周忌と、亡くなってからの1年間は重要な法事が続きます。

そのような法事に参列する際は、必ずお供え物、もしくは香典を持っていきます。
香典は相場があるのでわかりやすいのですが、お供え物となると何を持っていけばよいか悩むかもしれません。

故人ととても親しい間柄だったり、遺族とも交流が続いていたりする場合は、贈る品物も特に悩むこともないでしょう。
そうでない場合、お供え物には気を遣います。

今回は、法事のお供え物を選ぶ際のポイントとマナー、おすすめのお供え物について紹介します。

法事のお供え物を選ぶポイント

法事のお供え物は、なんでもいいというわけではなくふさわしい品物というものがあります。
慣習としてふさわしいといわれているお供え物と、遺族や参列者に対する配慮の面でふさわしいお供え物を選ぶポイントを紹介します。

消え物を選ぶ

供え物は、消え物を選ぶのが基本です。
消え物とは、食べたり枯れたり消費したりしてなくなってしまう物を指します。
人が亡くなった悲しみがいつまでも残らないように、悲しみが消えてなくなりますようにと願いを込める意味が含まれています。
逆に、残るものは「いつまでも悲しみが残る」といわれ、お供え物としてはふさわしくありません。
手元に残ってしまうとかえって遺族に迷惑になることもあります。

消え物のお供え物は、お菓子や果物といった食べ物はもちろん、線香やろうそく、花、乾物なども定番です。

小分けされているものを選ぶ

これは、遺族や参列者に対する配慮でもあります。

お供え物は、仏前にお供えした後、お下がりとして参列者などに分けることも多いものです。
その際に配りやすく、また衛生面でも安心なので、法事のお供え物では小分けされているものがふさわしいとされます。

日持ちするものを選ぶ

こちらも、遺族や参列者に対する配慮です。
生菓子などの日持ちしない食べ物を受け取った場合、参列者に渡すのも難しく、遺族も消費するのが大変なので、日持ちするものが適しています。

冷蔵が必要な品物も、保管や消費の面で迷惑になるケースも少なくありません。
日持ちするものでも、肉や魚といった殺生を連想させる食品はタブーです。
また、包装紙に動物が印刷されたものもおすすめできません。

肉や魚由来のものが使われているのも不適切のため、食品説明や成分表を確認しておきましょう。

ただし、内々で行う場合などは、それほど厳しくしなくてもよいという考えもありますので、施主と相談して決めてもいいでしょう。

法事のお供え物の予算相場について

法事のお供え物の相場は、現金か品物か、会食に参加するか、故人との間柄で金額が前後します。
御供物料(香典)として現金を包む場合、法要後の会食に参加するのであれば1万円から1万5,000円程度が相場です。
法要後の会食に参加しないのであれば、5,000円前後を包みます。

特に親しい間柄であった場合は、会食に参加する場合は3万円前後、参加しない場合は1万円前後が相場です。
品物をお供えする場合は、5,000円から1万円くらいの品物を用意しましょう。
会食に参加する場合は、それに1万円程度上乗せするのが一般的です。

法事のお供え物を渡す際のマナー

お供え物を渡す際にも、一般的にマナーと言われる作法があります。
ここでは、のし紙とのし紙に書く表書きなどのマナー、渡すタイミングについて解説します。

のし紙

包装紙の上から弔事用ののし紙を巻き、結び切りの水引きを使用します。
水引は、四十九日までは白黒、四十九日以降は双銀のものを選ぶのが一般的です。
関西では四十九日以降は黄白の水引きを使うなど、地域によって違う場合もあります。

名前は水引の下側にフルネームで書きましょう。
表書きは、宗教やどの法要に参加するかで変わります。
四十九日前なら「御霊前」ですが、浄土真宗は四十九日に関係なく「御仏前」と書くのが習わしです。

四十九日以降は「御仏前」もしくは「御佛前」と書きましょう。
どの宗派かわからない場合は「御供」「粗供養」と書いても問題ありません。

渡すタイミング

訪問した際、施主から挨拶があれば、そのタイミングで渡します。
その時、「この度はお招きいただきありがとうございます。御仏前にお供えしてください。」と一言添えてから渡しましょう。

お供え物の品物は、紙袋、風呂敷から出して手渡しします。

地域によっては、自分で仏壇にお供えするところもありますが、一般的には施主に手渡しし、自分で仏壇に供えることはしません。

法事のお供えにおすすめの品物
お菓子

法事のお供えにおすすめなのが、洋菓子や和菓子といったお菓子類です。
洋菓子ならクッキー、マドレーヌなどの焼き菓子、和菓子であれば最中や羊羹、カステラなどがおすすめです。

参列者の年齢に幅がある場合は、高齢者や子どもでも食べやすいものを意識して選びましょう。
生クリームを使ったものは溶ける可能性があるので避けます。

法事のお供えにおすすめの品物
フルーツ

お供え物には、「欠けるところがなく縁起がいい」とされる丸いものが喜ばれます。
リンゴやスイカ、ブドウ、オレンジ、桃、メロンといったフルーツはお供え物としても定番のフルーツです。

このようなフルーツはセット(盛り合わせ)で販売しているので、どのフルーツにするか迷った場合はぜひ活用してください。
ただし、フルーツでも傷むのが早いものや果汁が出やすいものは避けたほうがいいでしょう。

法事にお供え物を持って行くなら
「花」がおすすめ

法事のお供え物としておすすめしたいのがお花です。
華やかで、遺族の心も慰められるでしょう。
花瓶などの用意が必要ないアレンジメントを選ぶと忙しい遺族にも手間をかけさせずに済みます。
ここでは、お供え物としておすすめの花を紹介します。

仏花として定番は菊です。
菊は、枯れづらく長持ちすることや邪気を払うとされることから、仏前に供える花としてふさわしいといわれています。
現在、菊の花は数千種類あると言われ、菊のみでも故人のイメージに合わせたアレンジメントができるでしょう。

ユリ

日本だけでなく海外でも、葬儀にも結婚式にも使われるユリは、仏花として贈るのにおすすめです。
ユリは花粉が散りやすいので、きちんと処理をします。
また、品種によっては香りが強いものがありますので、花屋で購入する際は仏花であること、香りが少ないものを希望することを伝えておきましょう。

白以外のユリもありますが、花言葉が法事にそぐわないものがあるので、基本は白のものを選びます。
故人が好きな色を贈りたいなどの理由で他の色を選ぶときは、メッセージカードなどで、故人が好きな色・花であったこと、遺族に対するお悔やみの言葉などを添えておくといいでしょう。

≫ ≫ お供え花束・アレンジメント| 花百花 ‐hanahyakka‐

法事には故人や遺族を敬う気持ちが
伝わるお供え物を持参しよう

お供え物は、故人や遺族への敬意や慰めの気持ちを表す一つのメッセージでもあります。
故人に言葉で伝えることは不可能で、法事などの場合は遺族とゆっくり時間を過ごすことも難しいでしょう。

だからこそ、故人を想うことから供養にも繋がりますので、お供え物に自分の気持ちを託して故人や遺族に伝える事が大切なのです。
お供え物には、食べ物や線香、ろうそくなどが多いですが、機会があればぜひ花を贈りましょう。
花に想いを込めれば、メッセージはきっと故人にも届きますよ。

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