リコリスの花は、秋の彼岸に咲くヒガンバナの仲間です。
日本国内ではネガティブなイメージを持たれることの多いヒガンバナですが、小さな花を束ねたようなエレガントな姿から海外では高い人気があります。
この記事では以下の疑問にお応えしています。
- リコリスの花とヒガンバナの違いは?
- リコリスには赤色以外の花があるの?
- リコリスの花の育て方は?
「リコリス菓子」との違いやリコリスの花言葉、花が咲かないときの対処法についても説明しています。
ぜひ最後まで読んで、美しいリコリスの花を楽しんでみてください。
リコリスの花は
大地に燃えるヒガンバナの一種
リコリスは、凛とたたずむ姿が印象的な秋の花です。
葉や枝を持たず、花と茎だけで立つ姿が特徴的です。
彼岸の時期に道端や河原でよく見かけるヒガンバナはリコリスの仲間です。
実は、ヒガンバナの園芸用品種がリコリスなのです。
鮮やかな赤色が特徴的なヒガンバナと比べ、リコリスはさまざまな色の花を咲かせます。
小ぶりな花が合わさって咲くリコリスは、一株でも美しく映え、可憐な花の中から伸びる長いおしべが特徴的。
数株植えて、リコリスの花のまとまりを作ると、存在感のある花畑に圧倒されることでしょう。
リコリスの花の育て方は
難しくありません
リコリスは寒さや暑さ、病気にも強く、初心者でも育てやすい花です。
ここでは、リコリスの花を育てる際に必要な基礎知識を紹介します。
水はけのよい日向(ひなた)に植える
日当たりのよい場所を用意しましょう。
リコリスは半日陰でも育ちますが、日照時間が短いと茎が弱くなることも。
できるだけ日の当たるところに植えるのがおすすめです。
リコリスは湿り気を嫌うので、水はけのよい土に植えましょう。
植えつけは夏前に
6月から7月の間。球根を入手したら根が乾かないうちに植え付けを行います。
5?10cmほど掘り、球根に軽く土がかかる程度にして植えつけましょう。
植えつけ直後は土を乾かさないように、ときどき水をやります。
肥料は最低限で十分
リコリスは肥料がなくても丈夫に育ちやすい植物です。
球根の中に多くの栄養を蓄えているため、肥料がなくても花を咲かせられるのです。
花が終わったあと、根の発育を促すために、リン酸やカリ分が多めの化学肥料をひかえめに与えるとよいでしょう。
花がらはこまめに摘む
リコリスの花が終わったら、花のすぐ下の部分から切り落とします。
終わった花を放置していると、花が腐って病気を招く可能性があるためです。
花を切り取る際、茎を残しておくと光合成により、株の成長のもとになってくれます。
リコリスは一度植えると、放置していても毎年美しい花を楽しませてくれます。
栽培の手間がかからず、リコリスは植えっぱなしのほうが根はよく育つのです
リコリスは品種によって
ピンクや黄色の花が咲く
彼岸花の赤色が印象的なリコリスの花ですが、品種によっては、ピンクやオレンジ黄色など、さまざまな色の花を咲かせてくれます。
ここでは、品種によるリコリスの花色の違いを紹介します。
ラジアータ(ヒガンバナ)
日本各地でよく見られる彼岸花は、ラジアータという品種です。
美しい深紅の花弁が特徴のリコリスの1種です。
ラジアータには白色の花も見られます。
アルビフローラ(シロバナマンジュシャゲ)
9月に開花し、薄い黄色や白い花を咲かせてくれます。
彼岸花とよく似た性質を持っており、変異が大きく、クリーム色やピンク色など、多様な花色を持っています。
花が枯れたあと、葉っぱが出てくるタイプです。
インカルナータ
夏の暑い時期に開花する紫桃色の筋が入る、淡いピンク色のリコリスです。
春先に葉っぱが成長するタイプです。
キツネノカミソリ(サンギネア)
8月に濃いオレンジの花を咲かせるリコリスの仲間です。
日本原産のリコリスで、春先に端が成長するタイプ。
花弁がまっすぐで、上のほう向いて咲く珍しいリコリスです。
スクアミゲラ(ナツズイセン)
9月頃に開花し、青みがかったピンク色の花を咲かせる、美しいリコリスです。
春に葉っぱが出てくるタイプで、中国原産の品種でもあります。
スプンゲリー
9月に開花するリコリスの花です。
淡いピンク色の花びらの先に、青いグラデーションが入る繊細な花色をしています。
このスプレンゲリーの仲間には、紫がかった色の品種もあり、こちらも美しい青のグラデーションが見られます。
赤いリコリスの花言葉は「情熱」
目がさめるような赤色が特徴的なリコリスの花。
燃えるような花姿にふさわしく「情熱」という花言葉がついています。
その一方で、赤色以外のリコリスには違う花言葉があてられています。
代表的なリコリスの花言葉を下表にまとめました。
リコリスの色 |
花言葉 |
赤 |
- 情熱
- 陽気
- 独立
- 再開
- 諦め
- 悲しい思い出
- 思うのはあなた一人
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白 |
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ピンク |
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オレンジ |
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黄色 |
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ひとつの花にもたくさんの花言葉が込められています。
炎のような姿に見合った明るい意味の花言葉や、悲しいイメージのつきまとう花言葉まで、リコリスにはさまざまな意味を託せるお花です。
美しい花のリコリスには毒がある
リコリス属の植物には毒性があるため、モグラやネズミなど害獣対策に植えられてきました。
とくに彼岸花は、動物の墓あらしを防ぐ目的で、墓地の周りに多く植えられていたため、縁起の悪いイメージがついてしまったと考えられています。
毒性といっても触るだけならあまり問題はありません。
ただし、口などから体内に入れてしまうと、体に害が出るとされています。
毒は鱗茎(りんけい)にとくに多く含まれており、おう吐や下痢などの中毒症状のほか呼吸困難を引き起こし、重症の場合は死に至ることもあります。
葉だけになったリコリスは、ニラやネギによく似た姿をしているため、誤って口にしないよう注意が必要です。
リコリスの花は
リコリス菓子とは別物
花のリコリス(Lycoris)は、ハーブティーの甘みつけや、北欧のリコリス菓子に使われるリコリス(liquorice)とは別物です。
お菓子のリコリスはマメ科の植物で別名「甘草(カンゾウ)」ともいわれ、砂糖の50倍以上の甘さがあるとされています。
ヒガンバナ科のリコリスとはまったく別種の植物であるため、毒のあるリコリスと混同して食べないように注意が必要です。
リコリスの花が
咲かないときの対処法
リコリスは移植を嫌うため、植えつけた年には花を咲かせないことも。
その場合、しっかりと根を張った翌年以降に花を咲かせる可能性があります。
また、リコリスは日当たりのよい場所を好むので、日照不足の場合には花が咲かなくなる場合があります。
しっかりと日の当たる場所での栽培がおすすめです。
リコリスの品種に寄っては夏場の直射日光や、冬の霜で葉や根が傷んでいる可能性も。
栽培している品種の特徴を確認することが大切です。
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秋の彩りに
リコリスの花を育ててみよう
リコリスは植えっぱなしでも元気に育ち、毎年秋には鮮やかな花を咲かせてくれる植物です。
花は1週間ほどしか咲きませんが、その鮮やかな色彩が季節の移り変わりを楽しませてくれます。
ヒガンバナは縁起が悪いという人も、さまざまな色のリコリスには心癒されることでしょう。
ぜひこの記事を参考に、リコリスのエレガントな花姿を楽しんでみてください。
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