2023/06/19

胡蝶蘭の水やりは季節ごとに変えるのがポイント。失敗しない育て方・お手入れ方法をご紹介

水やりは水苔の表面が乾いてから
午前中に適量与えましょう

胡蝶蘭の水やりの基本は、水苔やバークなどの植え込み材料がしっかり乾いてからたっぷりと与えることです。
植物がよく水を吸う午前中に与えるようにします。
置き場所の環境や温度によっても乾き方に差が出るため、水やりをする際は植え込み材料を触って乾いているかどうか、その都度状態を確認することが大切です。
また、寄せ植えになっている胡蝶蘭の場合は、鉢からポットを取り出し、1株ごとに乾き具合を確認しながら水を与えます。
受け皿にたまった水はそのままにしておくと根腐れの原因になるので、必ず捨てましょう。

胡蝶蘭の基本の水やりのポイントをおさえた上で失敗しないコツは、原産地の熱帯地域の気候とは異なる日本の季節の特徴を知り、その季節や環境に合わせて水やりの仕方を変えてやることです。
次からは季節ごとに注意すべき点やコツを詳しく解説していきます!

春(3月〜5月)は
寒暖差に注意!

春の胡蝶蘭の水やりは、植え込み材料がしっかり乾いているのを確認してから、10日に1度くらいを目安に与えましょう。
春とはいえ、3~4月はまだまだ夜間に冷え込むことが多く、気温の寒暖差の大きい時期です。
夜10℃以下になる予報の出ている日は、胡蝶蘭の水やりは控えましょう。
置き場所は、レースカーテン越しの柔らかい日光に当たる室内に置いてください。
胡蝶蘭は直射日光が苦手です。
葉焼けや花を傷める原因になるので避けましょう。

梅雨の時期(6月〜7月)には
自然の雨にあててあげるのも良い

胡蝶蘭の主な原産地は、中国南部、台湾、フィリピン、インド、インドネシアなど赤道付近の熱帯地域です。
樹木の表面に根を張り、空気中の水分を吸収して育つ着生植物である胡蝶蘭は、気温20℃前後、湿度60~80%程度の高温多湿な気候を好みます。
そのため、高温多湿な日本の梅雨は胡蝶蘭にとって過ごしやすい季節であり、根や葉が育つ成長期となります。
雨には自然のミネラルが含まれるため、生育期の胡蝶蘭にとっていい栄養となります。
それまでは室内で管理していた胡蝶蘭も、この時期には時々外に出して自然の雨にあててあげるのもよいでしょう。

ただし、梅雨の長雨に当てるのは厳禁です。
梅雨の時期は植え込み材料の乾きが悪く、鉢の中の蒸れにより、根腐れや細菌による病気を起こしやすくなる時期でもあります。
根腐れや病気などを起こさないために、雨にあてた後はできるだけ風通しの良い場所に置き、植え込み材料をしっかりと乾かしましょう。
受け皿に水がたまった場合はすぐに捨てるようにしてください。

暑い夏(8月〜9月)は
水やりの頻度を少し多くして

気温の上がる夏の水やりは、1週間に1度くらいを目安に与えましょう。
とはいえ、夏場といえども水の与えすぎは厳禁です。
植え込み材料がしっかり乾いているのを確認してから与えるようにしましょう。
夏場の胡蝶蘭のお手入れで気をつけるべき点は、空気の乾きよる葉の乾燥です。
空気中の水分を根や葉から吸収して生長する胡蝶蘭にとって、エアコンの乾いた風は空気中の水分を奪い、葉が乾燥しダメージを受ける要因となります。
夏場胡蝶蘭を室内に置く場合は、エアコンの風が直接当たらない場所に置き、こまめに霧吹きで葉水を与えるなど、胡蝶蘭の環境に気をくばり湿度を保つよう心がけましょう。

なお、9月はまだまだ残暑が続きますが、暑さのピークは過ぎ少しずつ夜の温度も落ち着いてきます。
それまでと同じように水やりをするのではなく、植え込み材料の乾き具合や胡蝶蘭の状態(暑さで弱っていないかどうかなど)もしっかり観察してあげるようにしましょう。

秋(10月〜11月)は気温の低下に注意!
植え込み材料の乾き具合をよくチェック

秋の胡蝶蘭の水やりは、植え込み材料がしっかり乾いているのを確認してから、10日に1度くらいを目安に与えましょう。
生長期である夏を終え、暑さによる疲れが残っている状態かつ気温が下がる秋には、胡蝶蘭の水の吸い上げが鈍くなる傾向が見られます。
弱っている胡蝶蘭に水や肥料の与えすぎは厳禁です。
いつもより少なめに与えるよう心がけましょう。

また、胡蝶蘭の生育適温は20℃前後。
10月も後半になってくると15℃を下回り、夜間急激に冷え込む日も多くなってくるため、徐々に水やりの頻度や与える量を減らしていきます。
夜間冷え込む場所に置いている場合は、日中と夜とで鉢の置き場所を変えることもポイント。
10℃を下回らないよう気をつけましょう。

冬(12月〜2月)は
霧吹きを使って葉にうるおいを

冬の胡蝶蘭の水やりは、2~3週間に1度くらいを目安に、午前中にあげるようにしましょう。
冷え込む夜に水をあげるのは厳禁です!
冷たい水道水をそのまま与えると冷たすぎて弱ってしまうので、30℃くらいのぬるま湯を与えるのがベストです。
寒さに弱い熱帯植物の胡蝶蘭は、冬場はとにかく寒さに当てないことが大切。
暖房の効いた室内に置いてあげましょう。
室温は20度前後が保てるといいですが、夜間の冷え込みが心配な時は、段ボールや新聞、毛布などをかぶせたりして防寒対策をしてあげるとよいでしょう。

冬場は空気の乾燥にも注意が必要です。
もともと乾燥しがちな季節なうえに、暖房によりさらに空気が乾き湿度が低下します。
暖房の風が当たらない場所に置くことはもちろん、こまめに霧吹きなどで葉水を与え、乾燥しすぎないよう気をつけましょう。

植え込み材料によって
水やりの仕方は変わる?

胡蝶蘭は樹木の表面などに着生して育つ着生ランなので、土は使わず植え込み材料を使って育てます。
胡蝶蘭の植え込み材料の種類は様々ありますが、水苔やバーク(樹皮)が一般的によく利用されています。
ここでは、胡蝶蘭の植え込み材料による水やりの仕方の違いやポイントについてご説明します。

①水苔

胡蝶蘭の植え込み材料として、最もよく使われているのが水苔です。
水苔は湿地に生育するコケの一種で、保水力、通気性、柔らかさ等に優れ胡蝶蘭栽培に最適な植え込み材料として広く利用されています。
水を与える際は、季節問わず水苔がしっかり乾いているのを確認してから、水苔全体がしっかり湿るよう適量を与えます。
受け皿にたまった水は根腐れの原因になるので、こまめに捨てるよう心がけましょう。
寄せ植えになっている胡蝶蘭は、表面の水苔を取り除きポリポットに植えられている一株ずつ水を与え、最後に表面の水苔を戻します。

水苔は水はけ、水持ちのバランスが良く、柔らかいので胡蝶蘭の根を傷める心配はありませんが、カビが生えやすいのも特徴です。
湿った状態が長く続くとカビが生えやすくなるので、水を与えたらしっかり乾かすメリハリのある水やりを行うことが大切です。
水苔は傷みやすいので1~2年をめどに交換するようにしましょう。

②バーク(樹皮)

バークは赤松や黒松などの樹皮を細かく砕いた園芸資材で、「バークチップ」とも呼ばれています。
バークは水苔ほど保水力はなく乾燥しやすいため、根腐れを起こしにくい植え込み材料といえます。
バークにはさまざまなサイズがありますが、大きなサイズのバークチップは水を排水しすぎで水切れを起こしやすいので、胡蝶蘭の植え込み材として使用する際には小さめのサイズのバークがおすすめです。
胡蝶蘭をバークで育てる場合、素焼き鉢では通気が良すぎて乾燥しすぎるので、プラポットや陶器鉢を使用しましょう。
気温や湿度、葉の様子などをよく観察しながら、霧吹きなどでこまめに葉水をするなどして乾燥しすぎによる水切れを起こさないよう気を付けましょう。
しかし、乾きやすいバークとはいえ水苔同様、水のやりすぎは根腐れの原因となってしまいます。
水を与える際には必ず乾いているのを確認してから与えるようにしましょう。
また、バークはナメクジなどの害虫が発生しやすく、水苔のように手で触っても鉢の中の乾き具合が分かりにくいというデメリットがあります。

適切な水やりで胡蝶蘭のお花を
長く楽しみましょう!

ここまで胡蝶蘭の水やりについて、季節ごとに気をつけるべき注意点やポイント、植え込み材料による違いなどを説明してきました。
本来は丈夫な胡蝶蘭ですが、原産地とは異なる日本の気候下では、季節ごとの水やりの仕方にちょっとしたコツが必要です。
季節や環境に合わせた適切な水やりのコツやお手入れ方法を知ることで、失敗することなくきれいな胡蝶蘭の花が長くお楽しみ頂けるはずです。

華やかかつ気品のある花姿、少ないお手入れで長く楽しめる胡蝶蘭は、各種お祝い用から法要まで、幅広い目的でフラワーギフトとしておすすめです。

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