春に開花するお花の代表格であるチューリップは、老若男女問わず人気です。
チューリップは実は数千種類以上もあり、世界中で親しまれています。
品種改良もされており、さまざまな色・形のチューリップを楽しめるのも魅力の一つ。そんなチューリップを園芸で育ててみたい方は多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、チューリップの植え方について解説。チューリップを1年を通して楽しめる植え方のアイデアと、おしゃれなガーデンを作るポイントについて紹介します。
植え方を工夫して自分好みのチューリップ花壇に
チューリップの色はとても多いことで知られていて、赤、黄色、白、ピンク、オレンジ、黒、緑、複色など様々な種類が楽しめます。
またチューリップの品種数も大変豊富で、オランダ王立球根生産者協会(KAVB)の品種登録サイトによれば「6,500種類」以上も登録されています。
原種はもちろん、ライトピンクプリンスやマンゴーチャームと呼ばれる草丈の低い品種から、バーガンデレースと呼ばれる茎が長い品種も。花弁が一重のものから、バラや牡丹のようにたくさんの花弁を大きく咲かせる品種まで。
多種多様な花色、柄、花びらや葉の形があるので、他のお花との組み合わせも無限大。さらに開花時期も4月?5月と幅広いです。
これら種類に富んだチューリップを使いうまくコーディネートすれば、自分好みの理想のお庭が作れること間違いなし!あなたもぜひチューリップでガーデニングを楽しみましょう。
チューリップの「花壇・地植え」ならスペースを使って大胆な植え方も
花壇・地植えの場合は、日当たりのいいスペースを贅沢に利用し、大胆な植え方をすることができます。おすすめの植え方の一つは、他の花は植えずに「チューリップだけ」をまとめて植え付ける方法です。
やり方はとても簡単で、お庭の植えたいスペースに球根を詰めつつ植えるというもの。
スペースを贅沢に使いお庭全体に寄せ植えしたチューリップが満開に花を咲かせると、全体の雰囲気の統一感を持たせつつも、非常にインパクトが強く、ボリュームを大きくだすことができます。
そのため、これは広いお庭だけでなく、特に小さなお庭に迫力を持たせたい方には試していただきたい手法です。
またチューリップは花色が多いので、さまざまな色のチューリップを合わせることでカラフルに仕上げることも可能です。さらに一箇所にまとめて寄せ植えしているため管理も楽になるので、一石二鳥ですよ。
チューリップの「鉢植え・プランター」なら省スペースでコンパクトに楽しむ
次に、チューリップの植え方についてご紹介しましょう。
単独
チューリップは鉢植えもおすすめです。チューリップは品種が多様なので、一般的なチューリップの背丈は30?40cmほどですが、矮性種だと草丈は20cm程度となります。
これだと幅を取ることもなく、ベランダや玄関周りなど、どこでも楽しむことが可能です。
寄せ鉢
「鉢植え」の楽しみ方はこれだけではありません。寄せ鉢と呼ばれる植え方を取り入れることで、さらに違った見せ方になります。寄せ鉢とは、いくつかの鉢植えを組み合わせて並べること。非常にシンプルな装飾方法ですが、その組み合わせは無限大。
チューリップだけでなく他の花とも組み合わせることで、さらなる華やかさを演出することができます。
寄せ植え
寄せ鉢の他に「寄せ植え」にチャレンジしてみるのもアリ。少し技量が必要とされますが、それだけに綺麗さや喜びも格別です。
寄せ植えとは、一つの場所に複数の植物を植えることを指し、種類の異なる草花を植える方法や、一つの種類を植える単植と呼ばれる方法があります。
この手法を取り入れることで表現の幅がグッと広がり、寄せ植えが見事に開花したときのインパクトも絶大です。
室内で楽しむチューリップの水耕栽培の植え方
チューリップは水耕栽培も可能です。そのためマンションやアパートでも気軽に育てることが可能。
チューリップの水耕栽培には2種類存在し、球根から育てる水栽培用と切り花を水挿しにする方法があります。
水耕栽培のコツは「根が生えるまで」冷暗所で保管すること。こうすることで、より根の成長を促すことができ力強く元気なチューリップを咲かせることができます。
また注意点としては、しっかりと新鮮な水を与えること。毎日水の入れ替えを行うことで、しっかりと成長させられます。入れ替え頻度は1?3日に1回程度で十分です。
植える時期は10?11月、おそくとも12月頃となります。
チューリップのおしゃれな植え方�@:色を合わせて統一感を出す
チューリップの植え方は「テーマ」を考えるところから始まります。
チューリップは色、品種ともに多彩ですが、多すぎるがゆえに植え方に迷ってしまうものです。そんなときは、「テーマ」を考えるところから始めてみるのが良いでしょう。
素敵なガーデニングにおいて、もっとも大切といってもいいのが「統一感」です。
やみくもに色々な柄や色のチューリップを配置しても、理想のお庭を作ることは厳しいでしょう。
そこで初心者にもオススメなのが、同系色のチューリップを複数合わせて植えること。こうすることで高度なテクニックを必要とせずに統一感は保ちつつも飽きの来ない見せ方ができます。
明るくエネルギッシュな雰囲気に仕上げたい方は赤・ピンク系、大人な落ち着いた印象のガーデニングに仕上げたい場合は黒や紫あるいは黒と緑を組み合わせてみるのが良いでしょう。
関連記事:チューリップを植える時期を品種ごとに解説!花を長く楽しむ育て方
チューリップのおしゃれな植え方�A:グラウンドをカバーして高低差を演出
草丈の異なる品種が様々あるチューリップの特性を生かした演出も至高です。
チューリップには矮性種、一般種、高性種の3つがあり、草丈はそれぞれ15?20cm、30?40cm、50?60cmとバラエティに富んでいます。
こうした草丈が異なる品種を複数組み合わせ、さらに芝生系の草花を合わせ地面を覆うように飾りつけを行うことで、平坦ではない立体感のあるお庭を作ることができます。
チューリップのおしゃれな植え方�B:常緑の多年草で囲って瑞々しい花壇に
チューリップと共に常緑の多年草を植えるというのも一つの手です。常緑の多年草には多くの種類がありますが、例えばリュウノヒゲやヤブラン、リシマキア・ヌンムラリアといった多年草の芝生はおすすめです。
これらを効果的に植えることで、緑の鮮やかさがお庭全体に若々しさを与え、色鮮やかなチューリップをより引き立たせる効果があります。さらにチューリップ以外の花を一緒に植えるときにも、他の植栽との調和を保ち、一体感を演出します。
この手法は花壇全体が空きすぎないよう、空間を埋めるためにも利用されるので、賑やかさを持たせたい場合にもオススメです。
関連記事:秋のお庭を華やかに|ガーベラの正しい育て方
関連記事:カサブランカはどんな花?育て方から増やし方まで解説
チューリップのおしゃれな植え方�C:色合いで春らしさを演出
チューリップと言えば春の花ですが、黄色×赤×オレンジといった暖色系を合わせることで春らしさを表現するのも非常におしゃれです。眺めるだけで心も温かくなることでしょう。
またオレンジ色の早生チューリップといった暖色系に補色である青い花を組み合わせることでアクセントを付け加えるのも粋です。よりチューリップの鮮やかさを引き立たせてくれます。
オレンジ色の早生チューリップなら青いムスカリを組み合わせると、コントラストの効いたおしゃれな花壇になります。写真ではブロンズ色のカレックスの枯れ色が早春のイメージを引き立てています。
チューリップと相性の良いお花を一緒に植える植え方も◎
チューリップは他の花との寄せ植えでも楽しむことができます。しかも、その種類は多くk本的にどんな植物であっても相性がいい場合が多いです。
以下では、それらの種類について紹介するので、是非参考にしてください。
球根植物
チューリップと同様に春にさく球根植物の一つにムスカリがあります。ムスカリは紫がかった濃紺の花色を持ち、小麦のような房状の花を咲かせます。草丈は比較的低めです。チューリップと比べ、色も形も対照的なので、花壇をよりカラフルに飾るだけでなく、引き締め効果もあります。
一年草・多年草
チューリップとぜひ一緒に植えたい花の一つにスイートアリッサムがあります。小さな白い花をたくさん咲かせる非常に草丈の低い多年草で、土を覆い被すので花壇を賑やかにしてくれることでしょう。一面を覆い尽くすように咲くため、ボリュームもかなりアップします。
また手入れも簡単なので、初心者の方も非常に扱いやすい点が嬉しいですね。
他にもジュリアンやビオラ、プリムラといった落ち着きのある一年草とチューリップを組み合わせることで、密度の高い美しさを味わうことができます。
チューリップの後に成長する植物
チューリップが咲き終わった後も、さらにカーデニングを楽しみたいですよね!そうであれば、5?11月ごろに開花期を迎えるマリーゴールドがおすすめ。
マリーゴルドは非耐寒性一年草で、赤・橙・黄色・白といった鮮やかな色の花を咲かせます。お手入れが簡単で病害虫にも強いことから、他の植物との相性も抜群です。
しかし、寄せ植えする際の注意点も把握しておきましょう。主な注意点は、「バランスを揃えること」と「お花が綺麗に見える向きにすること」の2つです。
チューリップに限らずどの植物にも綺麗に見える向きがあります。そのため、他の植物含め、全体のまとまりとバランスが良いように寄せ植えをしましょう。
長期間チューリップを楽しむなら開花時期をずらした「リレー栽培」の植え方で
チューリップのリレー栽培をするなら、球根同士を近くに植える「密植」が良いでしょう。
地植えと鉢植えで植え付ける間隔が異なりますが、前者の場合は10cm、後者の場合であれば5cmが目安となります。このくらいの間隔を取ることにより球根の成長の妨げを防げるので、翌年も元気で大きなチューリップを咲かせることが可能になります。
ただこの手法の場合、全てのチューリップが同時期に開花するわけではないため、開花時期がズレると寂しい印象を与えてしまいます。
そこでこの密植でのリレー栽培を取り入れることで、こうした問題を解決することができます。地植えの場合は4?5cm、鉢植えだと2?3cm程度間隔を開けて植えます。
そうすることで隙間が少なく、ボリュームのあるガーデンを完成させられます。
鉢植えの場合であればリレー栽培の他に、「ダブルデッカー」「トリプルデッカー」という方法もあります。ダブルデッカーやトリプルデッカーとは、いくつかの球根を寄せ植えること。
「ダブルデッカー」の場合は球根を2層に、「トリプルデッカー」の場合は球根を3層に植え込みます。
チューリップは早咲きの品種の場合3月末?4月上旬、遅咲きが4月末?5月ごろに開花します。マリーゴールドであれば6?10月と、夏から冬の前までが開花シーズンです。
このように開花時期が異なる球根を土の表層から順に1層、2層と植え込むことで、各シーズンにそれぞれの花々を楽しむことができます。
開花時期や苗、球根について多少の知識を要する方法ではありますが、ガーデニングを一年中楽しめるこの方法は試す価値ありです!
チューリップの花を植えるならどこがお勧め?
チューリップを玄関横に寄せ植えし、お客さんをおもてなしするのはどうでしょうか?
玄関近くにお花が咲いているだけで気分も明るくなりますし、雑談もより弾むこと間違いなし!またインテリアの一部としても楽しむことができるため、普段何気なく使っている玄関をより可愛いらしい空間へと変身させられます。
また、小さな鉢に飾るのも良いですが、お庭の大鉢に大胆にたくさんのチューリップを植えるのも存在感があって見るものの目を惹きつけます。例えば、大鉢をベランダやバルコニー、玄関周りなどに置けば、普通の生活空間に彩りをもたらすこともできます。
ただし、チューリップは日陰では生育が遅くなるため、日当たりのいい場所を選ぶのがベストです。土が乾燥してきたら、たっぷりと水やりすることも忘れずに。
チューリップは贈り物としても最適です
美しいチューリップは自分で楽しむだけではありません。
もちろん贈り物としても最適なお花です。赤色のチューリップの花言葉には「愛の告白」「真実の愛」。ピンク色であれば「誠実な愛」、紫色であれば「不滅の愛」といったものがあります。どれも素敵ですよね。
誕生日やプロポーズ、母の日などへ自身の気持ちを込めて大切な人へのプレゼントをしてみるのも良いでしょう。
また、特別な日だけではなく、何気ない日常でも、大切な人にぜひチューリップをプレゼントしてみてください。
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まとめ
チューリップの楽しみ方が無限大にあることがお分かり頂けたのではないでしょうか?
さまざまな品種を植える単独だけでなく、相性の良い品種を植える寄せ植えも広く人気があります。
この記事でたくさんの栽培方法や飾り方を紹介してきましたが、これはあくまでほんの一部です。チューリップの新たな一面を見るために、より深く調べてみるのもいいでしょう。
自分で植えたチューリップが芽を出した時の喜びは、ひとしおですよ。