菊の花は古くから日本人に愛されている花の1つです。
天皇家の紋章も菊が採用されており、日本を代表する花と言っても過言ではないでしょう。
花言葉にもあるように「高貴な花」であり、葬儀やお供え用のイメージが強い菊の花ですが、海外に渡り「ピンポンマム」「スプレーマム」などの新しい品種が登場しました。
さまざまな色や形が楽しめ、近年ではアレンジメントや生け花では、欠かせない花材となっています。
この記事では、菊の花の基本情報や種類、品種についての違いを解説します。
菊の花を贈り物や、家庭で楽しみたい方はぜひ参考にしてみてください。
菊の花の基本情報
菊の花は「キク科キク属」で中国が原産です。和名では菊(キク)、家菊(イエギク)と呼ばれます。
開花期は9?11月頃ですが、切り花は1年中出回っています。
2020年の切り花出荷量統計によると、菊の花が最も多く、切り花全体のおよそ4割が菊の花となっています。
2?3週間と花もちが良いのが魅力の一つでもあります。
菊の色は、伝統的な白、黄色の他に赤、ピンク、複色とバリエーションが豊富。
品種改良され、咲き方や花びらの形の種類も増えてきています。
菊の花言葉は「高貴」「高尚」。また、花の色によっても異なり、ピンク色の菊は「甘い夢」。白色の菊は「真実」。黄色の菊は「敗れた恋」です。
菊の花の種類には和菊と洋菊があります。
菊の花は8?9世紀頃、中国から日本に伝わり平安時代以降、観賞用として栽培されてきました。
江戸時代に海外へ渡り、アメリカと西ヨーロッパで発展。
日本でつくられた品種を「和菊」、海外で作られた品種が「洋菊」と大きくふたつに分けられます。
和菊の種類
和菊には花びらのサイズごとに「大菊」「中菊」「小菊」に別れます。
さらに、大菊は花びらの形によって「厚物」「管物」「広物」に分類されます。それぞれの特徴を以下にまとめました。
【大菊】
花の直径が18�p以上。さらに以下の3種類に分類
- 厚物(あつもの)厚みのある花びらが多数ついており、こんもりと咲く一輪菊
- 管物(くだもの)細長い筒状の花びらが多数ひろがっている一輪菊
- 広物(ひろもの)花びらが幅広い大きな一輪菊
【中菊】
花の直径が9�p以上18�p未満。最も一般的な咲き方の菊。葬儀やいけばなのお稽古などで幅広く使われる品種。
【小菊】
花の直径が9�p未満の小さな花を1本の茎に複数つけるスプレータイプ。
洋菊の種類
洋菊は海外で品種改良された菊で、花の形、色のバリエーションが豊富です。
一輪菊、スプレー菊のそれぞれの特徴は以下のとおりです。
一輪菊(ディスパッドマム)
- ピンポンマム:花びらが球状に密集し、見た目がピンポン玉のような形
- デコラマム:花びらの数が多く、隙間なく詰まっており花も大きい。ボリュームのある品種
- その他:デイジー咲き、スパイダー咲きなど糸のように咲く品種。咲き方によって多様に分類されている
スプレー菊(スプレーマム)
- スプレーピンポンマム:ピンポンマムの形の花が1本の茎に複数ついている品種
- デコラ咲きスプレーマム:スプレーマムの代表格。スプレーマムの中で最も流通量が多い
日本の古典菊
和菊には、江戸時代中期に殿様の保護奨励によって発展した菊の総称で、地域独自の名称が付けられた「古典菊」という種類もあります。
代表的な古典菊は以下の6種類です。
【江戸菊】
- 古典菊の代表的な品種で、江戸を中心に発達。咲き進むと花びらの形 が変化するのが特徴で「狂い菊」「芸菊」とも呼ばれている
【嵯峨菊】
- 京都の嵯峨野で野菊を元に育成された品種で、毛筆のように直立した 細長い花びらが特徴
【美濃菊】
- 岐阜県羽島市の野菊を元に生み出され、美濃地方で発達した品種で、 八重咲の大きな花びらで、蓮の花に似ているのが特徴
【伊勢菊】
- 伊勢地方で発達した種類で花びらが垂れ下がるのが特徴
【肥後菊】
- 熊本発祥の品種で、20〜30枚のまばらに広がった一重咲きの花びらが 特徴
【奥州菊】
- 青森で発達した種類で、花の上部が両手でつかんだように丸く盛り上がっているのが特徴
菊の花の歴史|菊は縁起がいい花です!
菊の花が咲く季節から別名「菊の節句」ともよばれる9月9日の「重陽の節句」は
平安時代に中国から日本に伝わったと言われています。
中国では奇数を陽数と呼び、縁起が良い数字としています。最も大きい陽数である9が重なる9月9日を重陽の節句としました。
重陽の節句では、キクの香りを移した菊酒をのんだり、キクの花を鑑賞したりして無病息災、不老長寿を願いました。
葬儀や法要で菊が用いられるのも、この陽の力により、死という強い陰の影響を中和し、陰陽のバランスをとる為と言われています。
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菊を長く楽しむための4つのコツ
せっかく買った切り花は、できるだけ長く楽しみたいですよね。
菊の切り花は他の花に比べると、長持ちすると言われていますが、ここで紹介するコツを抑えて
さらに鑑賞期間を延ばしましょう。
水揚げは茎を手で折る
水揚げの際は、ハサミなどで茎を切るのではなく、水を張ったバケツの中に茎を沈めて手で一気に折るのがおすすめです。
吸水面が広がるため、水の吸収がよくなります。
水に浸かる葉はすべて取り除く
キクは葉が多く、蒸れやすいので、不要な葉はつけ根からきれいに取り除きましょう。
キクの葉が水に浸っていると、水が腐りやすくなります。
水がたっぷり入る花瓶で飾る
キクは水の吸い上げ量が多い花のため、水が少ないと水切れを起こし枯れてしまいます。
水を多めに入れた器で飾り、こまめに水替えをするとさらに花もちが良くなります。
傷んだ外側の花びらはカット
品種にもよりますが、大輪のキクは咲き進むと外側の花びらが下がり、形が崩れてしまうことも。
垂れてきた花びらは、つけ根部分からハサミでカットしてあげると形が整い、美しい見た目を長くキープできます。
菊など季節の花を選ぶなら花百花
菊の花は、その美しさと多様性、そして長い歴史を持つ日本を代表する花です。その豊富な種類と長持ちする特性から、さまざまなシーンで贈られています。
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菊の花はギフトや家庭用にもおすすめ!
菊の花の種類や楽しむコツをご紹介しました。菊の花は明るい色のピンクやオレンジだけでなく、茶系やグリーン等シックでおしゃれな色の品種もあります。
ダリアのような大輪のキクや、ピンポン玉のようなポンポン咲きの品種など、形のバリエーションも多数あり、アレンジや花束だけでなく、一輪でも充分な存在感があります。
ぜひお気に入りの菊を見つけて楽しんでくださいね。
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